第六話 ダークサス
「も、モンスター!?何の話をしてんだよ!?次元がちげぇよ!?アニメの中に入ったわけじゃあるまいし!!」
「だから、言っただろう?これは、“現実”だ。」
軽いパニックを起こしている夏輝に、臨は呆れた表情でため息をついた。
「“ダークサス”は初めは食料を狙って街を襲っていたんだが、ある日とうとう人類にまで手を出し始めた。だから、私たちがその処理をすることになったんだ。」
「へ…へぇ……。お前らってすごいんじゃん!」
やっと落ち着いてきた夏輝が口を開く。
「…だが、無理だったんだ。私たちは、“ダークサス”を倒すどころか、どこから現れているのかすら突き止めることが出来なかった…。弱点もなにもわからないんだ…。」
臨は悔しそうな表情をする。
「……なぁ、その“ダークサス”ってやつは具体的にどんなやつなんだ?」
しばらく黙っていた夏輝が臨に問う。
「あいつらには、決まった姿がないんだ。虫の形をしたやつもいれば、動物の形をしたやつもいる。」
「じゃあ、どうやって虫とか動物と見分けるんだ?勘ってわけにもいかないだろ?」
夏輝たちは廃墟と化した街に足を踏み入れる。
「あぁ、もちろんだ。“ダークサス”は必ずどこか普通の生き物と違うところがあるんだ。足の本数だったり色だったり。」
「ふーん。じゃあ、何で……。」
夏輝の疑問は臨の声によってかき消された。
「何か来る!!!」
臨はそう言うと、近くの古びた建物の中に夏輝を連れて行く。
「何だあれ…?もぐら?」
突然目の前に現れた小動物を見て、夏輝は臨に視線を向ける。
「いや、あれは“ダークサスだ。」




