第十九話 マジックグローブ
「暗黒の闇…。」
四人は、その言葉を聞いて黙る。
「…ここには、この扉の開け方は書いてないな。」
臨が、もう一度じっくり扉を見つめながら話す。
「…やっぱりこの扉は謎だらけだね。この武器倉庫がつくられたときは、こんな扉なかったもん。」
「…扉が…なかった…。」
夏輝がつぶやく。
「どうしたんだい、夏輝くん。」
徹が夏輝に話しかける。
「そういえば…!!」
夏輝はそういうと、急にどこかに走りだした。
「どうしたんだ!!夏輝!!」
臨も、夏輝を追いかけて走りだす。
「どうしたんだろう、夏輝くん…。」
梓と徹は、二人の背中を見つめていた。
少しして、夏輝と臨は扉のもとに帰ってきた。その夏輝の手には、黒い何かがあった。
「なんだいそれは。」
徹は首をかしげる。
「これはマジックグローブ。マジックグローブは触れらないものを触れられるようにする。だろ?」
「そうだけど…。ここには、それが使えるところってなくない?」
「いや、俺の思った通りなら、ここに……。」
夏輝はそう言いながら、扉の前に移動する。そして、持っていたグローブを手につけると、扉の右端中央にドアノブを持つようにして、手をかけた。
「もしかして…。」
夏輝は手を捻る。
ガチャッ
扉が開いた音が響いた。




