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第十五話 エネルギー石2
臨はそう言うと、夏輝と箱の元に行く。
「ふん…。確かに何もないな…。かなり保管の仕方が甘いな。」
臨はそう言いながら、箱の取り出し口に手をのばしていた。
ガチャッ
かなり大きな音がなる。
「音で監視員も侵入者に気づくというわけか。」
臨はエネルギー石を取り出す。
「ん、夏輝もって見ろ。」
すぐさま視線が夏輝に向けられる。ただ一人、息吹以外は。
「どう?なんか力が湧いてくるとかある?」
「………………いや、全く。」
一気に場の空気が悪くなる。臨は何か考え事をしていた。
「え?俺のせい?」
「お前のせいだろ。」
息吹が冷たい声で夏輝に言う。
「ちょっと!そんな態度はないんじゃないの!?」
梓が息吹に怒鳴る。
「え、え、え!?なんかごめ……っうわぁぁぁぁ!!」
臨は考え事をしていたかと思うと、急に夏輝に向かって剣を振り下ろした。
「ちょっと臨!?……!!」
しかし、夏輝には剣は当たらなかった。




