第十三話 エネルギー石
「あれっていうのは、エネルギー石という石で、普通は加工してアクセサリーにしたり、防具にしたりするものなんだ。」
「ふーん…。ってことは、勇者の素質があるやつは、その加工とかがいらないってことだな。」
夏輝はうんうん、と納得している。と、また疑問が生まれる。
「でも何で、梓は大丈夫なのかなんて心配してたんだ?」
「あぁ、多分あれは、強力なエネルギー石のことを言ってるからだと思うよ。たくさんのエネルギー石を扱ってる人でも、全く見たことがない位とても強い力をもった石がみつかったんだ。珍しいから頑丈に保管されてるんだ。」
ちょうど二人の話が終わったころ、臨たちは部屋を出ようとしているときだった。
「徹君、夏輝君行くよ。ほら、いー君も!」
梓が呼びかける。
「ん?いー君?」
夏輝が首を傾げる。
「梓と息吹は幼なじみなんだ。」
いつの間にか、夏輝の横に臨が立っていた。
「そうなのか。」
「よし、行くぞ。」
臨を先頭に五人は場所を移動した。
「ここだ。」
臨が急に、立ち止まる。目の前には、ひとつの扉と二人の監視員がいた。
「ここから先は立ち入り禁止となっています。お帰り下さい。」
監視員の一人が、臨に声をかける。
「急遽あの石が必要となった。入れてくれ。」




