第十二話 夏輝の答え
「何で遺跡行くこと決定されてるんだ?」
「そんなことはどうでもいいだろう。夏輝、返事はどうなんだ?行くのか、行かないのか?」
臨が、まっすぐな目で夏輝を見る。
「俺…行くよ、遺跡に。普通の高校生だから、しっかり闘えないかもしれないけど…。」
「ふ、そうか。じゃあ、早速行くか、遺跡に。」
「うん、行こう行こう♪」
臨はそう言って、早速部屋を出ようとする。梓や徹、息吹もそれについて行こうとする。
「ちょ、ちょっと待てよ。俺、普通の高校生だぞ!?何も出来ないんだから、このままモンスターがうじゃうじゃいるところに行ったら、無駄死にするって!!」
「あぁ、そうだったな。いつものお前と違うんだった。」
「ごめんごめん。」
梓は笑いながら謝る。
「ふん、相変わらずうるさいんだな、お前は。」
息吹が少しにらみながら夏輝を見る。
(うわっ、この息吹って人怖そう…。)
夏輝はすぐさまそう思った。
「この地の伝説によると、勇者の素質があるやつは、あれを手にしただけで力を得るという。」
「えぇ、あれをだすの?大丈夫なの?」
梓が心配そうな顔で臨を見る。
「大丈夫だろ。こんな緊急時なんだ。」
臨は冷静に判断する。
「なぁ、あれってなんだ?」
夏輝は徹に話しかける。




