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プロローグ
「なぁ、夏輝。この後空いてる?友達とカラオケ行こうってなってさ。お前も来ねぇか?」
「いや、疲れてるから今日は…。」
俺は、思いもしなかった。この選択で未来が変わることになろうとは…。
「なんだよ、ノリ悪ぃな。もしかして彼女とデートか?」
「んなわけあるかっ。お前、俺に彼女いないこと知ってて言ったろ、今のセリフ。ただ単に疲れたんだよ。」
俺の名前は今村夏輝。高校2年生の16歳。勉強はそこそこだけど、スポーツと友達作りは得意な方だ。
「ふーん、まぁ別にいいか。じゃ、また今度誘うよ。」
「あぁ、サンキュー。じゃ、また明日。」
「おう。」
友達と別れると、俺はすぐに家に向かった。夏も終わりにさしかかっている。蝉の声は少しずつ減ってきたような気がした。
「しかし暑いな…。」
俺は汗を拭いながら、まだなれていない自分の家に向かって歩き始めた。




