第51話 ここは異世界?!5 絶望の中の希望
必殺技の名前って要るんですかね(汗)。
グレイの殺気の籠った目と合って体が強ばるが強気の目線で返しておく。
ハルくんも緊張した面持ちでレイを構えるがおじいさんとノベルは余裕綽々で笑っている。
「俺が……」
「フォフォ……奏歌任せるぞ」
「え?僕ですか?」
おじいさんが僕の肩に手を置きニッコリと笑ながら頷く。
「うむ、このロクフォールの目に狂いは無い」
「しかし!」
ハルくんが何か言うのを手をかざし止めた。
ハルくんは納得がいかない表現をした後、僕に目線を会わせるため中腰になる。
「辛くなったら、俺にかわればいいからな」
僕は無言で頷き、グレイと向き合う。
グレイはつむっていた眼を開け僕をじっと見つめる。
「うむ……お前が相手か、いざ!」
「行くぞ!」
グレイは背中に背負っていた紫が主体で刃に赤い十字架が彫ってある斧を取り出した。
「起きろベヘモット」
大斧を水平に構え囁く用に斧に問いかけると斧の刃の部分がガバッと開き咆哮をあげる。
『オォォォォォオ!』
「口?!」
『吠えたのだ?!』
耳鳴りが凄まじい顔をしかめた。
『ガハハ!グレイよぉ……今回は楽そうだなぁ!』
斧がお調子者の用な感じの男の人の声が聞こえてくる。
「油断は禁物だ………食っていいぞ」
『マジ!美味しくいただきま〜〜す!』
ベヘモットが伸びて蛇の用に動きながら口をガシガシと動かし向かってくる。
『コゾウ!』
「うん!」
バックステップで回避し、銀王で叩く。
金属音と共にぶっ飛び、直ぐにグレイに攻撃を仕掛けようとするが目の前に拳が迫り衝撃が走り地面を滑る。
「?手応えが無い!くそ!」
「お返しだ!」
殴られる直前に磁力を発動し弾けさし、飛ばされる最中にグレイの足に銀王を絡ませた。
「ぬぉ!」
「っ〜〜〜〜!うわっ!」
お互いの頭に激しい痛みが襲うが痛がっている余裕はなくベヘモットを回避する。
『ギハハ!あぁ〜早く食い千切りたいぜぇ〜』
「………効いた」
ベヘモットがとぐろを巻いた用な形でグレイを包みグレイは頭を左右にふる。
「ベヘモット………厄介だね」
『うむ……だが勝てる!』
銀王の輝きが増し、威力をアップさせた。
「ベヘモット」
『あいよ!』
ベヘモットを元の大きさに戻し振り上げて叩きつける、とっさに回避するが地面がベヘモットに喰われて破片が四方に散らばり接近出来ない。
「な!んのぉー」
『うごぉ!』
休みなく向かってくるベヘモットを掻い潜りグレイに攻撃を仕掛けるがグレイの方が接近戦が数段上だ。
『うむぅ!隙がないのだ』
「うわっと!この!」
ベヘモットの四方からの攻撃と卓越された体術を駆使するグレイは強い。
『きはは!粘るねー、グレイ手間取ってるじゃねーか』
「ああ、彼らは強い」
「はあぁぁぁ!」
渾身の一撃を受け止められたが効いたらしく少しふらつく、此方も銀王のお陰で身体能力がアップしているが何度も拳を貰い正直辛い。
「だが!ベヘモット決める!」
『おうよ!』天にがざす用にベヘモットを持ち上げたベヘモットの咆哮ともにベヘモットが紫の水晶の用な石に囲まれる。
『行けるぞ!グレイ!』
「うむ!」
『此方も仕掛けるのだ!』
「よし!」
お互い勝負を着けるための技を出す。
「ヌォォォォオ!」
「銀吹雪!!!」
向かってくるグレイを迎え打つため銀吹雪を発射する銀色の閃光がグレイに向かって伸びていく。
「喰い尽くせ!ベヘモット!」
『ガァァァァァア!』
龍を連想させる姿のベヘモットの口が開く銀吹雪とぶつかり少しずつ銀吹雪が喰われていった。
『なんと!』
「そんな!」
銀吹雪が喰われてベヘモットが一直線に向かってくる!
「まだ!」
『ガァァァァァア!?』
自分から突っ込み、磁力で正面にくる。
「雷桜閃花!!貫け!!」『グァガァァァァァ!』
大口を開けているベヘモットの口に銀王を叩きつけトリガーを引く、魔除針が飛び出ベヘモットの力場を取り込もうとする。
「な!面白い!」
「てぇぇぇい!?」
ビシッ……ピキィピキ。
「やあぁぁぁ!」
「ぐふぅ?!」
ベヘモットの鎧を打ち砕き紫の水晶が宙を舞うベヘモットは無言で地面に落下し僕はそのままグレイに突っ込み雷桜閃花を放った!
「はぁはぁはぁ………ブースト使わなかったら負けてた」
『うむ……30秒しか全力で使えないのが欠点なのだ』
あの極限状態の中でブーストを使えたのは奇跡だ発動出来なかったらベヘモットに喰われていたと思う。
「かぁ………我らの敗けだ…好きにしろ」
『きはは!欠ちまったぜ』
全力で放った攻撃で意識が飛んでいなくてビックリする。
「使えないねぇ〜〜〜これだからエミティじゃないヤツはクズなんだよ!」
「またか!レイ!」
『わかったわ!』
また白い悪魔の用な生物が小屋を囲むそして普通サイズの三倍はある大きさの白い悪魔に乗っているのは赤いコートを着込み金色のボウガンを構えた糸目の青年が立っている。
「…………」
『ぐ!てめぇグレイを侮辱するのは許さん!』
ベヘモットが怒って浮き上がるが直ぐに墜ちる。
「暫くおとなしくしてた方がいいですよ!銀王に殆んど力を持ってかれていますし」
そうかと頷き、ベヘモットも黙り混む。
「奏!くるぞ!」
「うん!ノベルはグレイさんを守ってあげて!」
「いいわよ〜〜後で報酬はもらうけど」
一斉にに群がってくる白い悪魔をかたずけて行くが数が一行に減らないそれどころかドンドン増えていく。
「ちよっと……キツいかな」
『コゾウ余り無理はするな!』
グレイとの戦いで体力をかなり消費しているので徐々に押される。
『奏歌くん避けて!』
「はい!」
僕の前にいた白い悪魔は十体纏めてケシカスになる。
「おぉぉぉ!」
焔を纏ったレイが光ハルくんが一閃をくりだす、焔が回りの悪魔を真っ二つに切り裂いていった。
「へぇ〜やるねー、でもまだまだ増えるよ」
「纏めて燃えろ!」
レイを地面に突き刺し日々から爆炎が飛び出る。
『春樹!そろそろブーストが切れる無理しないで!』
「このままじゃ………やぁ!」
『むむ!ヤバイのだ』
倒しても倒しても倒してもまた白い悪魔が赤い眼を光らせ向かってくる。
笑い始めた膝を無理やり抑えつけ銀吹雪を放つポッカリ空いた穴は直ぐ様埋まってしまう。
「なかなか頑張るじゃないか〜じゃもっと絶望してもらおうか!」
「この!調子に乗りな糸目野郎!」
ハルくんが焔を放つが悪魔が縦になり防がれる。
「俺の名前はリガンだ!じゃ死にな!」
上空にボウガンを放ったと思うと巨大なゲートが開く巨大な剣が現れる鋼色の剣は青い稲妻を走らせながら墜ちて来ようとしている。
「ははは!消えちゃえよ!」
リガンは悪魔に乗り上空に逃れる。
「ぐぉ!」
「手間を掛けさせたな」
「ワシとしたことが!」
おじいさんの呻き声声を聞き振り返ると右腕が義手の坊主頭の男がおじいさんを担ぎ上げ空に逃れる。
「まて!」
(まに会わない!)
『ガァァァァァア!』
「なぁ!じじぃごと!ぎゃやぁゃゃゃ?!」
諦めかけたその時にベヘモットが坊主頭の男の乗った悪魔を噛み砕く、おじいさんを頭にのせた後で着地した坊主を噛み砕く夥しい血と肉が千切れる音と独特の匂いがする。
「我等も助太刀する」
『ああ!恨みはらすぜぇ!』
と言ってもグレイも肩で息をしている、長くは持たないだろうリガンが放った巨大な雷撃の剣も墜ちてくるのは時間の問題だろう。
「くそ!はぁはぁはぁ……キリがねぇ!」
『春樹!後ろ!』
「おぉ!」
僕もハルくんも限界で流石のノベルも疲れては居ない用だが苦笑いをしつつ徐々に後退しはじめていた。
「あは……絶望的ね」
上空でニタニタ笑っているリガンに腹を立てるが気にしている暇はなく的を迎撃する。
みんな限界に達しそうな時に眩しい光が現れ空間が割れる。
「ロボット?!」
空間の外から見える光景はロボットが赤い閃光を展開しゲートを維持している。
「みんな撤退しろ!」
「早くね!」
言葉と共に突風が吹き荒れ悪魔をバラバラにする、もう一方は重力が広範囲に広がり悪魔を潰していく。
「みんな!時間がない早くゲートへ」
「輝!夕夏!伊吹!」
迫ってくる悪魔を迎撃し何とかゲートをくぐり抜けた。