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第48話 ここは異世界?!2 新・メンバー追加!

暗く細い道を手をガッチリ握られ歩く。

時々聞こえてくる獣の鳴き声や木々が擦れる音に体がビクッと反応する。

幸い空は快晴で星が綺麗だ。


「あは♪抱き着いてもいいのよ?」

「だ、誰が!」


サファイア・ブルーの双眼が僕の目を確り見据える。普段の怪しい輝きは心無しか感じられない。


「な、なに?」

「ふふ……略奪者はなんで貴方なんだろって思って」

「略奪者?誰それ?」


少しの沈黙の後、鳥が飛んだ音にビックリし思わず抱き着く。


「大胆ね♪」

「違うよ!これはワザとじゃ!」


突然のタックルは予想出来ず押し倒す形になっている。


「まぁいいわ、略奪者は私の光であり、あこがれ、そして私の愛した唯一の男」

「へぇ〜」

「ところで、いつまで乗ってるの?主導権は私ね♪」

危ない予感がしたので、素早く離れた。

「ちっ」と舌打ちが聞こえたがスルーする。


「はい♪」


未だ座り込んでいるノベルは腕を突きだし引っ張れと命令する。


『うぅ〜奏歌!エミティの気配なのだ』

「オチビちゃんは優秀ね、行ってみよう」

「うゎぁ?!」


凄い力で引っ張られ、お姫様だっこの形になる勿論僕が抱えられてる。

顔が暑くなるのが分かる、これは男としてどうかと思う。


「降ろし……あっー!」


人間の出せる速度じゃない速さで走る。

抱えた理由が分かったので文句を言うのを止めた。

回りの景色が高速道路を順調に走ってるくらいの速さで流れる。


「ここね………五人」

「取り敢えず様子を見よう」


近くの茂みに身を隠し様子を伺う。

騎士見たいな格好をした人が一人とローブを来た人が三人いる。


「一人足りないよ?」

「あれ」


ノベルが指を指した先にはエミティ・ドールが待機している。


「なかなか楽しめた相手だったわ♪血は不味かったけどね」

「そ、そうですか」


あの不気味な奴を相手に楽しめるノベルに感心した。下手な事は言えないなと思いまた様子を伺う。


「帰れ!ワシはお前達に協力はせん」

「我々に逆らうんですか……貴方の能力、他に渡す訳にはいかないんですよ」


騎士が手を前に降るとエミティ・ドールが動きだした。


「……………」

「くっ!お前達はこんな物まで!」


強烈な冷却が回りを冷やし立派な髭が凍る。

エミティ・ドールがおじいさんの首に手を掴もうとした瞬間に見覚えのある朱色の炎がエミティ・ドールに直撃する。


「うぉぉぉ!一つ」


朱色の刀身がローブをなぎはらう、突然の乱入でローブの一人は対応が遅れる。

「遅い!斬る!」


上段から轟音と共に振切りローブは灰になる。


「えぇぇい!」


最後の一人を凄まじい火炎が飲み込み、騎士一人になる。


「ひぃ」

「消えろ!」


真っ赤に輝く剣を突き刺しジュウッと肉の焼ける音と騎士の絶叫が響く。


「ふぅ〜、後1人だ!」


ムクリと起き上がったエミティ・ドールの回りに冷気が包む。


「いくぞ!」

「………………」


右斜めからの攻撃を氷の壁で防御される。

すぐ蒸発し回りは煙に包まれる。


『春樹!上だよ!』

「くっ!」


大量の雹が空から降って来て炎で消し去る。


『春樹!読まれてる!』

「なに?!」


防戦一方になってきた春樹を僕はハラハラしながら見ていた。


「ハルくん!」

「待ちなさい奇襲よ、真面目に闘うことはないわ」


ノベルは僕の首根っこを掴み止める。


「一撃で仕留めなさい♪」

「言われなくても!」


銀王を発動、エネルギーを一転に集中する。


「いってらっしゃい♪」

「え?」


そのまま真上に投げられ、ハルくんとエミティ・ドールの所に落ちて行く。


「このまま!雷・桜・閃・花!!」

「?!」


エミティ・ドールが気付いたのは射程内に入った後だった。


「これでダウンだぁ!!」

地面に叩きつけられ、銀王を中心に桜の花が咲く、空から銀色の花びらがまいちる。


「ソウ?!」

「大丈夫ハルくん!」


空から降ってきた僕を見てボー然としている。


「宣言どおりね♪」

「お前は………セイ・コントがいったやつか」


僕の手を引き後ろに隠す。

『春樹だめ!勝てないよ!』

「懸命な判断ね♪」


悔しそうに唸り、レイさんが人型になる。


「へぇー珍しいわね」


ノベルが目を細め怪しく微笑む、レイさんはビクッとなりハルくんの腕を掴む。

「の、ノベル!ハルくんは僕の仲間だ!共同戦線だろ!」

「わかってるわよ」

「春樹良くやってくれた、そこの二人も入れ」


さっきのおじいさんが呼ぶのでお言葉に甘える。

中は温かく、美味しそうなシチューが置かれている。

「ところでハルくんはどうして居るの?」

「俺にも良く分からん、シイナと名乗る鬼人と交戦中に酷い頭痛がして気付いたらここにいた」


ハルくんも僕たちと同じらしく、結局原因がわからない。


「お前さん達も春樹と同じ世界の住人か?」

「はい、僕達もハルくんと同じような感じで気付いたら」

「なるほど………まぁゆっくりしていけばいい」


おじいさんの優しさに感謝し、休ませてもらう。



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