第46話 輝の気苦労
さんざんな目にあい、狩崎亭に帰ってきた。
ゴゴゴゴォ。
地面が揺れ、立ってられなくなる。
「地震だ……終わったか?」
『うぅ、気分がすぐれん』
ブンの背中を指すってあげつつ、家に入る。
「ずっとリュックに隠れてたからかな」
『違う……良くわからんが、似てるが違う……』
それっきり黙りこんでグッタリしてしまった。
ブンを部屋に寝かせて来てリビングに来る。
ゴゴゴゴォ。
「また?」
最近地震が多い用な気がする。
収まってから夕飯の支度をしている輝に話しかける。
「ただいま〜、たま地震だね」
夕飯のエビフライをお皿に盛りながら、タルタルソースを探す輝に話しかけた。
「………」
何か考えこんだ表情をし、またソワソワしだす。
「輝?お〜い輝!」
「っ?!そ、奏歌か……すまん」
謝りつつ、火を止めて手を洗っている。
「どしたの悩み?僕で良ければ聞くよ?」
「いや、何でもないんだ……何でも」
輝は必殺の殺人!スマイルで夕飯の支度を続けた。
「良かった」
テーブルに食器を持っていき夕飯を待つことにする。
〜〜〜〜〜輝〜〜〜〜〜〜
俺はエビフライの余分な油を落とし、皿に盛る。
レモンと野菜を切りサラダの準備をしつつ奏歌を盗み見する。
(言えるわけない……しかし)
ドレッシングを冷蔵庫から出し、テーブルに料理を三人分並べた、ブンの分はラップに包んで保存しておく。
「いただきまーす!」
エビフライを旨そうに食べてくれるのは有難いのだがその表情を見ていると余計言えなくなる。
「輝〜〜〜〜!」
要が来たらしく、廊下を走る音が聞こえてくる。
「こんばんわ!奏歌くん!」
「こんばんわ」
「輝!ん〜〜!」
いきなりキスを求めてくるが流石に奏歌の真っ赤になった顔を見ていては出来ない。
「あ、後でな」
「冷たいな〜それより!奏歌くん、決まった?」
まさか!
「なにがですか?」
「何って、エルドレのことよ溜まった分のエネルギーを使っていいってこと!」
やっぱりか、予想どおりの出来事に驚きはしないが奏歌の心境が心配だ。
「はぁ……何に使うんですか?」
対したショックを受けた様子もなく、ホッとする。
「うん、最近地震が多いよね?実は向こうに異常が起きてるのか、境界線が揺らいでるの」
わかった用な、わからない用な微妙な表情を浮かべる奏歌。
「で、その揺らいでを押さえるのにエルドレの力が必要なの!」
どっから持ち出したのかホワイトボードを取りだし説明するカナメ。
「暫くもどれなくなる、嫌なら別の方法を探す」
〜〜〜〜〜奏歌〜〜〜〜〜
カナメさんの分かりやすい説明のおかげで現状を理解する。
「全然!僕より世界の平和を優先してくれた方がいいです」
輝は安堵の表情を浮かべ、カナメさんは満足そうに頷く。
「ん…何………わかった」
夕飯を食べ、カナメさんと某人気ゲームの第3弾で対戦している。
「あぁー、やぁらぁれたー」
「甘いね〜」
カナメの強さに絶句し、諦めづ挑む。
「うぅ〜カナメさん、フリ●ダム使うの禁止!」
「いいわよ!ならばこれを使うだけよ」
暫く盛り上がっていると、輝が真剣な顔で話しかける。
「奏歌!邪鬼と未確認の敵との間に戦闘が起こっているらしい、伊吹達の援護にいくぞ!」
「うん!」