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第35話 奏歌と鬼との生活模様

僕はまた岡村の家に連れてこられた。

昨日は薬のせいか直ぐに寝てしまって気付かなかったけど案外普通の家と変わらない。


「ただいま〜」


岡村が帰って来た。


「あれ?才鬼はどこや?緋口知らへんか?」

「……多分お風呂」


岡村は成る程見たいな顔をしてキッチンに行く。


「ほれ、これ飲みや…中和剤やからキチンと飲むんやで」


手渡された薬を飲み、コップを返す…ラムネみたいな味がした。


「………さっきからキョロキョロしとるけどどないしたん?」

「…あの…案外普通だから」


それを聞いた岡村は笑いを堪える。


「な、何が可笑しいだよ!」

「くくっ…そりゃワイらかて普通に物食うし、テレビやって見るで、ゲームやってしたりするもんや人間とそなーに変わらへんよ」


なんか僕のなかの鬼のイメージが崩れた気がする。

まだ笑いを堪えている岡村は足の縄を外し自由にしてくれる。


「腹減ったやろ、メシ作ったるわ」


そう言ってまたキッチンに篭ってしまった。


「…………(実はいい奴なんじゃないのか?)」

「………どいて」

「ひゃあ!?」


突然話かけられてビックリしてしまう。

どうやら僕の座っている所は咲鬼の指定席らしい。


「うん」


椅子から立ち上がり隣に移動する。

風呂上がりでまだ湿った髪少し火照っている頬に胸元が空いているパジャマ姿の咲鬼。


「…………どうしたの?」

「な、なんでも?」


なんとか誤魔化しに成功すると共に岡村が麻婆豆腐をもって来る。


「ほいメシやで席に付や」

「……辛い」


美味しいのだが辛い!どうやらこの二人は辛党のようだ。


「ん?ちと辛いかな……オレンジジュースでええか?」


何かと気が利く岡村に感謝しつつ辛味を中和する。


「すまんぁ……教会の前を通ったら急に麻婆豆腐食べたくなってきて」


夕飯を食べてゆったりとした時間が流れる。

時刻は3時になるのだが麻婆豆腐が聞いていて眠くならない。


「………緋口はやっぱワイらの事怖いか?」

「……………正直怖くないかな…何も変わらない人間と」

「そか……才鬼いやお前に取って咲鬼やな、仲良くしたってや…初めてなんや楽しいそうにしてんのやっぱお前のお陰やありがとな」

岡村にお礼を言われて戸惑う。


「そんな…礼をいわれるような事はしてないよ!咲鬼は鬼神でも友達だから」

「……友達か…そやな責めてこの時くらいはな」


岡村は暗い表情をするが頬を叩き、立ち上がる。


「風呂入ったらさっさと寝た方がいいで…身長伸びへんぞ?」

「よ、余計なお世話だ!」

「そんない怒らんでもいいやん、そや!ケータイ、オールロックかけてワイに渡しや一応連絡手段を断たせてもらう」


逆らう訳にも行かず素直に渡す。


「ほな、預かっとくわ」


岡村は僕のケータイを持つと自分の部屋に入っていった。


「お風呂入ろう」


〜〜〜〜〜岡村〜〜〜〜〜

「行ったか……才鬼起きとるやろ?そのまま聞いてくれ」


返事をしない才鬼出来れば寝ていて欲しい。


「……あまり言いとう無いけど、万が一のタメ言っておくぞ」


モゾモゾ動く当たり間違いなく起きている。


「緋口奏歌を好きになるなよ……外見は似てても所詮別の生き物や…辛い思いは差せとうないから」


それだけ伝えるとワイは部屋を出る。


〜〜〜〜〜奏歌〜〜〜〜〜

「気持ち良かったー……しまった着替えない」


取り敢えずタオルを巻き風呂から出る。

やっぱり気が利くのか手紙と一緒に着替えが用意されている。


<これでガマンしてや>


カゴの中にはピンクのパジャマ(恐らく咲鬼の)と明日の着替えのTシャツとスカートがある。


「………はぁ」


全てを諦めパジャマを来て指定された部屋に行き眠りに着いた。





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