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第30話 クルツの行方

祝!30話!次は番外編の短編を投稿しますよ!

人気の無い浜辺に、朱色の光が輝る。


「はぁはぁはぁ……千!」

勢い良く、炎を纏わせた大剣形態のレイを振り上げ素振りをする。


『もう此くらいにしときなさい……もう日が昇るよ?』

「もうそんな時間か……よし帰るか」


浜での特訓を終えて、帰宅する。


「………くそ」

『まだ気にしてるの?仕方ないよ此方側に来て2週間しかたってないのよ?』

「それでも……ビビって奏歌の援護をしてやれなかったのは……あれは」


帰り道にさっき助けたフロナとか言う少女とタレ目のボサボサ頭がコンビニの前でコーヒーを飲んでいた。

「なぁにしてるの?」


突然レイが話し掛けた為にコーヒーを吹きそうになるフロナ。


「あ、貴方はさっきの炎剣士……」

「紫東春樹……でソッチのは?」


俺はさっきから、フロナの横に立っているタレ目の方を見ながら問う。


「彼は………私の忠実な人形……なのよ」

「クルツ・アルフィードっす」


人形扱いも気にせず、ペコリと頭を下げる。


「わたしはレイ!レイ・スタンフィールド!よろしく」


元気よく自己紹介するが、今一つだったようだ。


「……で、何してるんだ?」


本題に入る、すかさずクルツが前に出て今までの事を話し出す。


「理由は簡単です……敵の本拠地に居る訳にはいかないっす」


なるほど、こいつらにとってソウ達は敵だからな。


「なるほど……どうせ行くとこ無いんだろ?家で来るか?」

「で、でも……」

「気にすることは無いわ!ここで会ったのも何かの縁でしょ!」


結局フロナが折れて俺の家に向かう。


「ここだ、奥に二つ空部屋が有るから……あと風呂はリビングを左に行って2つ目の扉な」


家に通して、リビングで説明をする。


「忝ないっす……素性もよくわからないのに止めて貰って」

「気にするな……それに今は物騒な世の中だからな」

まぁ、負けはしないだろうがと付け加えておく。


「さてと……もう4時半か……弁当の仕込みでもするか、何か食うか?」

「いえ、大丈夫っす」


フロナとレイは風呂に行かせてクルツと二人だけになった。


「お前……嘘ついてるな…あのお嬢ちゃんの目は復讐を宿す目…俺と同じ」

「……………そうです、だから俺はフロナの人形でありつづけるっす」


人には色々あるだろうから深く追求せず、明日の弁当を仕込み終えた。


「お前も何か出せるのか?」


クルツは無言で右手を前に出し、手の上に氷の塊をつくる。


「氷か……そうだ、暇な時でいいから俺の特訓に付き合ってくれ」

「了解っす」

「それと、奏歌や輝達に俺達がここにいるのも黙っていてほしいっす」


俺はそれを承知し、風呂に入りさっさと寝た。


〜〜〜〜〜奏歌〜〜〜〜〜

「クルツ……何でだよ」


僕は手紙を畳み、クルツ工房のドワを開ける。

中には修理を施され、整備された“黒衣の賢者”があるだけだった。


「奏歌?何してるの?」


要さんと輝がリビングで手紙を睨んでいる僕に話しかける。

僕は無言で、その手紙を見せる。


「………そうか…クルツ」

「やっぱり、そっちを選ぶよね」


二人は特に驚きもせずに、手紙を僕に返す。


「奏歌……アイツは過去の自分にケリをつけに行った心配すんな」

「早々、クルツは強いから!それにクルツは絶対帰ってくるよ」


自信満々の二人は何故か僕を安心させてくれた。


「ほら、学校でしょ?」

「ああ、行ってくる奏歌行くぞ」

「うん!(クルツ早く戻ってこいよ!)」


僕達は森さんの運転する車に乗り学校に向かった。






「あはは、これは……そうか…奏歌達も新しい切り札を用意したようだね…」


岡村 幽弥からの報告書に目を通して、軽く笑う。


「はぁ〜、何呑気にしてんねん……ワイらも楽な状況やないんやで」


言葉の割には、余り困った顔をしていない岡村 幽弥はもう一つの報告書を取り出す。


「ほれ……後は此や【シグマ】厄介な者作っているようや」


白ローブは狐面を外しながら写真と報告書を見る。


「此は?」

「よう分からんが“人工鬼神”とか言うもんや」

「なるほど……毒は同じ毒を持って制すか……」


渡された報告書と写真を机にしまいながら、イチゴオレを飲む。


「まぁ、人造強化魔術師の発展技術を応用したもんやろ……ところで、もう七月なのにそないなローブ来てて暑ぅないんかい?」


狐面は自分の服を見ながら首を傾げている。


「……慣れた」

「そーですかい、じゃワイは行くで」


ブォン。


「………さて、仕込みはあとすこし…奏歌、セイ・コントと言う壁を越えないとね」


狐面はイチゴオレのパックをゴミ箱に入れて部屋を出ていった。

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