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第29話 クルツの過去

空間魔術が解除され当たりは真っ暗になった。


「……あの子どうするんだ?」

「取り敢えず…僕達で保護した方がいいんじゃない?」

『うむ……【黒の十字架】の情報も聞けるかもしれん』


未だに方針状態のフロナの隣に行く。


「あの……取り敢えず僕達の所に来ませんか?」

「………はい……覚悟はできてます」


なんの覚悟かはわからないが狩崎亭に行くことにする。


「ソウ俺は行くぞ?一人で平気か?」

「大丈夫だよ、またね」

「ああ、またな」


ハルくんはレイさんと共に先に家に帰った。

僕達は無言で道を歩き始め僕の左に顔を下に向けたままのフロナが付いてくる。

気まずいな……よし、何か話題をフルか。


「ねぇ……質問してもいい?」

「………えぇ、どうぞ」


僕は様々な質問をしてが、一行に盛り上げることに成功しない。


「……(盛り上がらない)えぇっと、向こうの世界はどんな感じ?」


ここで一番気になる事を聞く。


「余りこの世界と代わりはありませんね……普通にコンビニとかも有ります、街並みは少し違いが有りますが此方の科学の技術は凄いですね」

「へぇー、コンビニあるんだヤッパリ向こうも技術も持っていってるんだ」


少し打ち解けたので、いろいろ世界の事に付いて話してくれる。


楽しそうな世界だな……なんでクルツは話たがらないんだ?


「珍しい生き物は居る?」

「そうですね……魔物はいますね……此方の邪鬼みたいな物です」


牛型の癖に鳴き声が豚なのは面白く、少し笑ってしまった。

話ている打ちに狩崎亭に着いた。


「ただいま〜、輝〜どこ?」

「お帰りっす!輝は鬼飼の本家に行ってる………フロナ」

「ク、クルツ・アルフィード……あなたは死んだはず」


クルツは普段は見せない冷たい目をしてフロナを見ている。対するフロナは青ざめた顔でクルツを睨む。


「………奏歌…俺は用事があるから出掛けてくるっす」


クルツは足早に狩崎の本家に行ってしまった。


「……ば、化物……裏切り者め」


フロナは去っていくクルツに吐き捨てる用に言いそのあとは黙りこんでしまった。


「………あの……昔何があったか知らないけど、友達の悪口を聞くのは好きじゃないんだ」

「………あなたには関係ありません……あなたも殺されますよ」


出した麦茶がこぼれる位に手を振るわせ、僕に絞るような声で伝える。


「クルツはそんな事をしません!」

「では、話しましょうかクルツ・アルフィードが何をしたか!」


机を叩いて声を挙げる、その勢いに少し驚きながらも興味があるので聞くことにした。


「その話は俺がするっす……奏歌……」


と用事を済ませ帰ってきたクルツが隣に座り語り始める。


〜〜〜〜3年前〜〜〜〜〜

暗い地下牢にタレ目の少年が閉じ込められている。


「出番だ………実験体KR2……さっさと出ろ」

「…………………」


少年を無理矢理立たせ、注射で薬を投与する。


「……!ぐぁぁ……くふ」

「お前には異世界攻略の任務をこなしてもらう…うちの商品の性能を売り込むチャンスだ」


少年は迎えの人間に連れていかれた。


「………………」


窓から差す日の光……今まで一度も浴びたことのない光が彼を包む。


「あっ!?起きた?」

「………………………」


少年の目には白衣の男以外の人間が映っている。

金髪のウェーブのかかったセミロングの髪、左右で碧と黒のオッドアイの少女が立っていた。


「私……フロナ貴方は」

「名前はない………実験体KR2」

「実験体?まぁいいやじゃ、今日から貴方はクルツって名前です」


フロナの勝手な話はどんどん進みある程度の知識を覚えておいた。


「おーい、隊長がよんでんぞ!」

「ディノ、待ってよフロナ行くよ」


ディノとフィンが迎えに来て、隊長の所に行く。


「うん、来たっすね!では、敵の足止めをするっす!って誰っすか?」

「ええっと、拾った」

「何でも拾ったじゃ、すまされないっす!」


隊長とフロナはお互いに口喧嘩をする。


「いたぞ!?殺れ!」


遠くから声が聞こえ、炎や光の矢、水の弾丸が飛んでくる。


「む!帝国軍!フロナ」

「了解!」


得意の煙幕をはりフィンが土の刺を作り、一撃離脱のディノが敵を倒し、隊長が影を操り敵を殲滅する。


「………かたずいたっすね」


敵の二個小隊を全滅させ、今は夜。


「君かわってるっすね!僕はシン・アルフィードっす!」

「……………クルツ」



〜〜〜〜一年前〜〜〜〜〜

「ビルゾ博士!実験体が見つかりました!」

「よくやった!私の最高傑作を取り戻す時が!」


帝国と共和国との戦争も終決し、俺はシンの養子になった。


「うーん、相変わらず料理以外の完璧!」

「ありがとうっす!」


今は俺はシンとフロナ・フィン・ディノの五人で暮らしている。

あの激戦の日々が嘘の用に平和な村で静かに暮らしていた。


「俺、食材の調達に行ってくるっす!」

「言ってらっしゃい!」


フィンとフロナに見送られ、俺は市場に赴く。


(付けられてるっすね……巻くか)


人混みを掻き分け裏道にでた所にローブを来た三人組に囲まれる。


「誰っすか!」


三人組は答えずいきなり攻撃を仕掛けてくる。


「さっさと、仕事を終わらせる」


植物の蔓が体の自由を奪い、首に何か打ち込まれる。

「うぐ?!なにを……ぐ」

心臓の鼓動が早くなり、段々頭がボーットしてくる……俺は誰だ?なんの為に存在する。


コロセ…!……コワセ…!

頭のがガンガンし、記憶がどんどん蘇る。


「あぁあぁー!!おぁぐぁぁ!」

「なんだ?!ぐぁ!」

「い、いやだー!?」


一瞬にして裏道は氷づけになり、辺りを銀世界に帰る。


「………………敵はコロセ」


〜〜〜〜〜現代〜〜〜〜〜

「そこから先は覚えてないっす……わかる事は村の皆を皆殺しにしたことと、シンを殺したこと……あとはビルゾに捕まって、また体を弄られたくらいっす」


クルツは昔の記憶を語り、僕の方をじっと見る。


「……俺は兵器なんっす……ただの殺戮マシーンっす……裏切り者っす…フロナ…俺を殺したいならいいっすよ」


クルツは氷でナイフを作りフロナに差し出す。


「俺にできる事はこの程度っす……最後にすまない」

フロナはナイフを受け取りクルツの前に立つ……。


「フロナさん!」


僕は止めに入るが、氷の檻に閉じ込められる。


「…………クルツ!」


フロナは左手を振り上げ、思い切りぶん殴る、クルツは抵抗せず、ただ殴られつづける。


「はぁはぁはぁ……クルツ……あなたの事は信じません、許すつもりもありません……死ぬまであたし達のことを後悔し苦しみ続けなさい!」


ナイフをすてクルツに近寄る、捨てると同時に氷は溶け自由となった。


「く……」

『コゾウ、行くぞ』


成り行きを静かに見守っていたブンは僕に二人きりにしてやれと伝えて、部屋をあとにするように促す。


「……………俺はどうすれば」

「誓いを立てなさい…今後私の命令には絶頂服従、そして自分の正義をしんじ屈するな!」


俺は目を見開いてフロナをみる、以前より大人びて少し大人びている。


「……わかった、誓いをたてるそれが俺の業なら」

「よろしい、さっそく命令です……貴方の大切な友達の為にそして殺した人間の為に死力をつくして闘いなさい」

「わかった」


僕は部屋で銀王の手入れをしていた。


「……クルツ、あんな辛い過去があったんだ……」

『……ああ、そうだな……』


銀王を磨き終わると同時に、クルツが部屋をノックし返事を待ち入ってくる。


「……奏歌…俺と友達でいてくれてありがとっす……」

「なにいってるんだよ!友達だろ当たりまえじゃん!」


僕は手を差し出した。


「君の過去は関係ないよ……僕は今の君と友達何だから!」



よく朝、リビングには執事の辞職願いと空になったクルツの部屋、そして手紙があった。

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