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キアラン 4
はっ…!
何を考えてんだ俺は……!
そんなこと考えてたら、時間に間に合わねぇだろ!
俺はあわてて腕時計のほうを見た。すると、待ち合わせ時刻の二分前を指していた。
扉間は、館から遠く離れた街の公園の片隅に存在する。
街のほかの場所にもあるのだが、大きい会社の中や公共の施設などにしか扉間へと続く扉は無い。
「これはかなりやべぇ!もう、あの方法を使うしかねぇな……」
ポケットの中に入っていた、金色の鍵を取り出す。
「開け!扉間の扉。我が主に従え!」
その言葉を発したと同時に、キアランの周りを光が包む。そして、金色のきらびやかに光り輝く扉がキアランの前に現れた。
「よしっ!うまくいった」
ドアノブに手をかけ、まわして扉の中を通った。