キアラン 22
フィオナは出て行ったか………
机にひじを突き、頭を抱える。
「もう……いっそのこと…――」
顔を上げる。
そう、もう……決心したんだ……―――!
私は行動に移った。
「だっはー」
大きなため息が部屋に響く。
叔父さんと修行をした後、屋敷に戻ったのだ。そのため、ここは自分の部屋である。
叔父さんは、俺の修行をさせた後、すぐに帰って行った。
「あぁ~、疲れた~」
叔父さんも叔父さんで、無理やりすぎるだろ!
ボフンッ。
俺はベットに横たわる。
「大変よっ!」
「!」
修行も終わって、ゆっくり休もうと思ったそのときだった。
ノックもせずに、俺の部屋に入って着た者がいた。
「――――って……ハンナじゃねぇか!帰ったんじゃなかったのかよ」
「欠伸なんかしている暇無いわよ!あんたのせいで、大変なことになってるんだから」
俺の頭の上にはクエスチョンマークが浮かぶ。
「だから……!今日の天使のフィオナのお父さんが地界に戦争を仕掛けてきたのよ!」
「――――!なんだって!」
俺はそれを聞いて、かばっと起き上がった。
ハンナは悔しそうに歯を喰いしばって、俯いた。
「何故かは知らないけど、フィオナのお父さんに知られたみたいなのよ……」
「そんな…――!」
そんな……、たぶんフィオナは言ってない……
フィオナの父が魔力か何かを感じ取ったんだろう。
俺が…………フィオナに攻撃をしたから……!それなら……それなら俺は、ハンナを巻き込むわけにはいかねぇ!
俺が何も言わずに黙り込んでいると、
「……大丈夫よねっ!何とかなるわ!」
ハンナは明るくそういうが、顔は曇ったままだ。
「そ、そうだよな!とりあえず、おまえは帰れよ!俺は父さんに言ってくるから」
俺は、気持ちは暗いが無理をして笑った。
俺が笑ったのを見て、少しは安心したのか、ちょっとためらったように笑って、
「そうよねっ!私は一旦帰って、お父さんに話してみるわ!」
ハンナは急いでそう言ったあと、
「それじゃあ、一旦帰るね。じゃあっ!」
ハンナは急いだ様子で、俺の部屋の窓から出て行った。
「おうっ!じゃあな」
俺はハンナに笑顔で手を振る。その笑顔で手を振っていた手を止める。
俺は再びベットに横たわった。
「やっぱ……俺のせいだよな」
顔を腕で覆う。
ベットから起き上がる。
「俺が、俺が何とか止めねぇと……!」
自分の部屋の窓から飛び降り、翼を生やして見つからないようにして屋敷を後にした。