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キアラン 18
「ただいま~」
空はだいぶ暗くなっていた。
もうこの時間なら叔父さんはいないだろ。
「おうっ!おかえりっ」
玄関の近くにあるキッチンから聞き覚えのある声が聞こえた。だが、それは使用人や両親の声ではない。
俺はゆっくりとキッチンの扉を開けた。扉から覗き込んで、人物が分かったとき大きく声を上げた。
「アーノルド叔父さん!」
アーノルド叔父さんは、コーヒーを椅子に座ってすすっていた。
「はっはっはっ。ちょっと遊びに着たんだよ。そういえばな、怒ってたぞ?おまえの言う嫌いな叔父さん。」
いいんだよそれぐらい。あの人嫌いだし……
「まあまあ、そういうなよ。ああいう人だって要るんだからちゃんと受け止めろよな。それより、やってみるか?」
何を……?
「修行だよ。どうせなら手にしてみたいだろ?」
叔父さんは上手にウィンクして、笑った。