第一話 訓練(修行)場所
間を空けない様に投稿!
「……それで、『救世主』が来る時期は分かるのか王?」
俺は目の前にいる少年に聞く。
それによって、『悪魔の王』とマスターにつけてもらう訓練
の内容も急がなければならないからだ。
「大丈夫だ。
先ほど話した事実だが、アレは実を言うと先代『悪魔の王』から聞かされた話だ。
あちら側では、勿論下位の部下には話していないが
『王』のみに伝えられる使命として、自分の次に
この戦争に参加しなければいけない者に、事実を話さなければいけない。
悪魔は寿命が長いからな。
そして、その、『意思』による戦争経験者の先代によれば、
『救世主』は、まずは各地で人助けや国助けをし、
そして民衆や国家の信用を得ていき、最終的には、我々三人を追い詰めるつもりだ」
「どういうこと?」
妹が疑問の声を発する。
「つまりな、奴は人民を救うために、俺ら三人を殺すだけでもなく、
社会的にも抹殺したいってことだよ」
「『跳躍者』の言うとおりだ。
奴、『救世主』は、それほどまでに我々の存在の抹殺に固執している。
そこまでしなければ気が済まないんだよ」
「なら、奴が来るのは時がある程度経ってから、か?」
「そうだ。
先代によれば、自分がこちら側に現れてから、きっかり『1100日』目に攻め込んできたらしい。
それも、民衆と国家の支持を受けているにも関わらず、たった一人でな」
たった三年で世界全体の国と民衆の支持を受ける、か。
俺達と敵対しなかったならば、こんなに頼れる奴はいないな。
……ただの理想論だな。
「そこまでなのか、『救世主』の強さは」
「ああ。奴が本気になれば、国の一つなど一週間で陥落できる」
その強さに追いつき、追い越さねば、アリアを守れない。
そして、元の世界に帰る方法を見つけることさえできない。
「で、何処でやるんだ訓練は?
こっちにいても、直ぐに指名手配でもされそうだよ?」
確かに妹の言うとおりだ。
下手したら、俺達に関わっているマスターの情報も見つけ、
マスターにまで危害が加えられるかもしれない。
「それは「それは心配ありません。お二方」……人の台詞をとるな」
いつの間にか、『悪魔の王』の話の間に入っていた、
従者の女性が居た。
「貴方様に言われた通り、準備が整いました。
完璧に、120%こちらの環境を真似て作りました」
「そうか。なら良い。下がっていいぞ『色欲』」
「はい。あちら側でお待ちしております」
そう言ったと思ったら、また一瞬でいつの間にか消えていた。
っていうか『色欲』って。
「なあアリア。俺達、初めてアイツの名前聞かなかった?」
「あ、ああ。そうだよな……」
「ああ。話していなかったか。
アイツは、我直属の部下の七人の一人で、名を『色欲』と言う。
まあ、こちら側で言う『七つの大罪』の対応悪魔と思えばそれで良い」
そうだったのかよ……。
「あ、それより、向こう側が何とかって!」
「そうだ。お前ら二人には、これから、
向こう側にいってもらい、そこで修行をつけてもらう!
そのための環境が整っただけの話だ」
「は?」
「え?」
「「えええええええ!?」」
何処でとは思ったけど、まさか悪魔の住処とは……。
「だ、大丈夫なのかよ……」
「案ずるな『天使の末裔』。
先ほども『色欲』が言っていたろ?
『こちら側』の環境を120%真似た、と。安心しろ」
「だが、どうやって行くんだ?」
「ああ、其れなら……」
いきなり『悪魔の王』が俺達に近づいてくる。
そして、
コンッ
と、部屋に大きく響く程の音を、
ソイツの靴で床を叩いて出した。
と、その瞬間、
フッと視界が歪んだと思ったら、
いつの間にか、
大草原のど真ん中に立っていた。
「「ここ、何処だよ……」」
あ、思いっきりハモッた。
いや、これから見始めた人いませんよねさすがに。
だってこの話から見たら、専門用語の連発で軽く死ねますもの。