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第十五話 悪魔変換 ~アイ・完全変換~

 「がっ!? あ、あ、ああああああああああ!!!!???」


「私はファウル程甘くないぞ!」


畜生……折られた……。

多分、この痛みはアバラ数本イッてるな。

冷静でいれるのも前の世界の経験か?


しかし何なんだアレは?

額にデコピンされたと思うと頭蓋骨が揺さぶられて気持ちわりいし、

ただ蹴られただけと思ったら壁に叩きつけられて、骨も一部イッてるし。


「くそッ! 『憤怒』は『力』とはよく言ったもんだよッ!!」


起き上がって、『憤怒』に突風を送った。



が、


「邪魔だ」


『憤怒』が手を、腕を空中で無作為に振っただけで、

まるでただの埃を払うかのような動作で、

突風はブオオオオッッ!!!と音を立てて、まったく別の方向に受け流される。


そしてその隙で、


「なッ!!!??」


いつのまにか、また目の前には、『憤怒』がいた。


「これで、終わりだ」


至極冷静な口調で腕を振り上げ、

『憤怒』のその右手が、俺の懐に入ったその瞬間、


ゴギギギイギギギメギッギギギギギッッッッッッ!!!!!!!


この世のものとは思えない音が外に漏れ、痛みが体を襲う。

かなりの激痛だった悪魔変換の黒いモノの進行も、これに比べたら……


「ッッッアアアああアアあアああああ!!?!?!?!?」


体の内側から弾ける感触。

視界に入る、自身の体から突き出す白いもの。

そして喉の奥からでてくる鉄臭いもの。


気付けば俺は、『憤怒』のいる場所から何メートルも離れた壁に、

背を持たれかけていた。

後ろからは瓦礫の感触がする。どうやらまた、吹っ飛ばされたらしい。


……これでも、意識が飛ばないってのは、逆に辛いな…………。


「ッ???????」


体が―――――熱い!!!


「あッ!? あ、ああ!?」


体の、芯が、中が、熱い! 焼けるように熱い!

熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い

熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い


「う、あ、あああああっ……あああああああああああああああああ゛あ゛あ゛あ!!!!!」


「ッ!? そうか、そういえばお前……まだ変換が終わってなかったな。

そうかそうか。そろそろ、終わりか?」


「あら~。やっちゃってるね……」


怠惰が同情の視線を投げかける。

チクショウ! そんな目で見んじゃねえ!

殺すぞッ!?! ……殺……す?


「はッ! その程度の力という事だ。

俺様の臣下にするかどうかはこれからだ!」


「う……るせェっ!! 殺…………す……殺すぞッ!????」


胸が熱い。

ふと、『傲慢』から視線を外し胸を見ると、


そこには、



『黒いモノ』が噴き出していた。


「え…………? は……? あ、ああ?」


んだよ……なんだよッッッ!!!! コレはぁぁあああ!!!!!?!??!?!


「あ……あ゛…………ああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!

お、あっ? オオおおオオおおおおおおオオオオ!!???!?!?????????????」


口の中の鉄の味が……消えていく。

否、掻き消されていく……。


瞬間、


「ごッ!? オオオオオッ!!!!????」


口の、から、『闇』が、外にあふれ出た。

今回は叫び系が多くて楽……ゴホンゲフンっ!


ついに悪魔になりますなります!


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