第十三話 幕間
近頃なんか
「はああああああッ!!!!」
掛け声と共に、相手の深層心理に入り込み、そして幻覚を刷り込む。
そしてまた倒れていく兵士。
これで何人目だろうか? よく分からない。覚える暇も無い。
数十メートル先では、まるでゲリラ豪雨のように、超局地的な吹雪が起こっていた。
目をこらして見れば、中で少女が舞い、兵士が吹き飛んでいくのが分かる。
そして不思議な事に、その局地吹雪のすぐ横では、多数の兵士が、
襲い来る溶岩から逃げている。
「……明、今の情勢は?」
後ろに控えている弟|(今は部下)に、たずねる。
もし敵との戦いが長引くなら、対策を採らねば、またこちらの立場が悪くなる。
「今の所、僕達の戦力のうち、負傷していない三分の二の能力者を投入してるよ。
そのうち、負傷してるのは未だ10人程度。
前線で僕達、涼風さん、不知火さん。
裏方から来る敵を相手してくれてる荒祇くん、飛騨さんが頑張ってくれてるお陰だよ。
だからこそ、敵の兵士はこれより後に続けない訳だし」
「そう……なら良いわ。でも、徹底的に不殺を貫きなさい。
ここで能力者でない相手を殺してしまっては、立場は悪くなるだけよ」
「それは皆、僕も含めて重々承知だよ。
今、確認できただけでも、誰も殺していない。安心して」
「……………………」
今、相手側の兵士が撤退していくのが分かる。
銃の弾切れか、または上の命令か分からないが、次々と帰っていく。
地平線ほど向こうに見える、軍のキャンプに。
「撤退!!!」
「はい!」「おうッ!」「分かりました!」「あいよ!」
仲間の能力者達が、それぞれ炎を消したり、水を地面に落としたり、
電気を散らしたりしながら帰ってくる。
「よう。今回も双方、死人がでなくて何よりだな」
「飛騨さん……」
飛騨さんは、最初からそこにいたように、私の横に立っている。
「私達もそろそろ疲れてきたよ……。相手は止めてくれないのかな?」
琴雪は、能力を使いすぎて疲れている表情をしている。
「もう少し粘れば、向こうから何かアプローチが有るかもしれないわ。
それまで待ちましょう」
「もしなかったら?」
「…………こちらから行くしかないでしょ」
私は、佐屋紫は、部下であり友である仲間と、本部に戻っていった。
(アイ……今日も、がんばったわ。
貴方は、今の世に戻ってきたら、どうするのかしら?)
愛する者の顔を思い浮かべながら、歩いていった。
近頃ネタが思いつかない。
しかし、まだまだ主人公には負荷をかけなければいけないので、(付加ではない)
頑張っていく次第です。