第十一話 温泉風景~アリア・『色欲』の本性~
なんか色々と、すいません……。
ぽちゃん
水が滴る音がする。
「う、うう~~~~ん……」
手を頭の上で組んで背伸びする。
「気持ち良い~…………」
この温泉最高。
なんていうか、全部の疲れが取れてくような、
疲れが染み出すな……。
今、私は温泉に入っている。
なぜ温泉に入っているか。
それは、『色欲』の提案で、風呂に入ることになったからだ。
「それにしても、まさか温泉とはな~~」
風呂、とは聞いていたが、まさかこっちに温泉があるとは思いもしなかったよな。
だけどな、確かに気持ち良いんだが……
「…………何で大きくならないんだ? それとも、十四でこれは妥当なのか?」
分からないよな。
「あ゛~~~~~分からね~~~~~~~」
自分のモノを揉んで、呻いてると……
「大丈夫ですか?」
「うわぁッ!? って、何だよ、『色欲』か」
「何だとは失礼ですね。それより、湯加減はどうですか?」
気がつけば、『色欲』は、すぐ私の横で湯に漬かっていた。
まあ、湯加減を聞いてくるのは気が利くよな~。
「ああ、大丈夫だ。
………………………………」
「? どうかしましたか?」
「ハッ!! あ、いや、何でもない」
ついつい、『色欲』の私の数倍あるであろうアレを凝視したぞ。
っていうか『色欲』、その大きさは無い!
「さ、お背中流しますよ」
「え、ええ!? い、良いよ別に。私もう十四だぞ?
そんな恥ずかしいって!」
湯から上がった瞬間、いきなり突拍子も無いことを言い出す。
「はは、大丈夫ですよ?
私達悪魔に比べたら、まだまだ十四なんて赤ちゃんのようなものです。
さ、いきましょうか『天使の末裔』?」
そしてガシッと擬音がでるように、私の手を掴んだと思ったら……
「お? おおおおお!!!?」
そのまま引っ張られた。
こけないように足を横に動かしていると、どんどん周りが暗くなってくる。
そして、
「ここが洗い場です。では失礼」
いつのまにか、少し水が溜まっている、薄暗い、なぜか鍾乳石のある場所にいた。
そしてなぜか『色欲』が持つ、タオルとシャワー。
「ひぃぅッ!!!? え? ちょっ、止めっ!!」
私の体中を、泡がたっている手で擦って来る『色欲』。
ってかそこは駄目ッ!
「ひゃあああうううッ!????」
「随分と艶かしい声を出すのですね。
洗っているだけですが何か?」
「べ、別に何も無いって…………はっああああ???」
背中に何かあたる感触がする。
ああ……何か、意識が…………
「そういえば、先ほどの問いですが、
貴方様のサイズは、人間としては普通だと思いますが」
「? よっし! そっか、そうなのかぁッ!? ひ、ひゃああああああああ!!!!」
「あ……のぼせちゃいましたかね」
手を泡立てたままの『色欲』の目の前には、
体を紅潮させ、気絶しているアリアの姿があった。
「……さてと、少し残念ですが、さっさと洗って運ばなければ」
ほっんとうに、どうもすいません!
こんな感じになるはずでわ!




