↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
好敵手(ライバル)は藤吉郎⁉ 【改訂版】  作者: ケロボッチ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/37

第二十五話

 双葉たち風の党一味(イナゴの群れ)が堺の町に来たのは、


 もちろん町中の食べ物を食い尽くすため...などではない。


 清州の名物屋敷での〈極楽浄土!浮世体験⁈〉と命名されたぼったくりコースに


 よって莫大な軍資金(あぶく銭)を手に入れた。


 人間誰しも大金を手にしたら使いたくなるのが人情ってやつだろう?


 自己を正当化して自分にご褒美の買い物(無駄遣い)をするために堺の町に来たのである。


 堺の町には南蛮品など珍しいものが数多く売られているからだ。


 各自にかなりの軍資金(お小遣い)を渡し好きなものを買ってよいと。


 ただし、東風翔平《財務部長》(漫遊中で今は不在)が怖いので、


 必ず軍備用品の但し書きと【(前株)風の党様】で金額記入の領収書を


 もらっておくように厳命しておいた!


 集合場所の宿を決めた後は、それぞれ自由行動でお買い物に走っていった。


 双葉は勘三と共にいろんな店で物色し、少しでも欲しいと思ったものは買いあさっていく。


 荷物持ちの勘三が持ちきれなくなったので、いったん宿まで荷物を置きに行かせた。


 これが勘三の大失態を招くことになろうとは⁈


 一方、単独行動になった双葉は南蛮商館に入った。


 ここでは望遠鏡や銀時計など実戦に役立つものが多くある。


 特に南蛮商館でしか入手できない硝石はぼったくりの価格設定だ。


 商館の支配人、ラファ〇ルは人が良さそうに見えるが、こと商売に関しては甘くはない。


 だが万が一の色仕掛けが効くかもしれない。


 確か巨乳好きだった記憶がある。


 念のためもう一度確認しておくか。


「ときにラファ〇ルさん、女子(おなご)の好み、特に胸の大きさはどのようなのが良いですか?」


「オー、ワタシハチミッコノキョニュー、イッタクデース⁈」


(つまりロリ巨乳か⁈ 二人も心当たりがあるにゃ⁈


 ここでの買い物は紫忍と十三を連れてきてからの方が良さそうだな⁈)


「必ず近いうちに買いにまた来ます!(ロリ巨乳を連れてな!)」


「クビナガデマッテルアルヨ⁈」


 一方、宿に荷物を置いた勘三は双葉を探しに町の中を急ぐ。


 双葉の身代わりで死ぬことさえ厭わない忠犬...忠臣なのだ。


「そこの兄さん、ちょっとちょっと⁈」いきなり路地裏で声をかけられた。


「掘り出し物の凄い逸品がありますぜ」


「急いでいるので結構⁈」


「まあ、そういわずに見るだけでも⁈」としつこい。


(そう言えばまだ自分の物は何も買っていないし、見るだけ見てやるか)


「見るだけは見てやろう」


「そうこなくちゃ!これ見て買わなかった《《野郎》》はまだ一人もいませんぜ⁈」


 手渡されたのはどうやら書籍?のようだ。


 本を開くとそこには、にゃんとおお...これはああ...


 南蛮渡来のお..(しつこい?)


 無修正エロ本だった!


 (あれだけ引っ張ってエロ本かよ!) 


 突っ込まざるを得ないと感じざるを得ません⁈(アパレル君風)


 しかしそのエロ本は単なるエロ本ではなかった!


 南蛮の国の中には出版に優れた技術があり、銅板を用いた活版印刷が発明され、


 大量の印刷本が出回るようになった。


 あまりにも鮮明で、あまりにも鮮烈な描写に勘三は不覚にも血を滾《たぎ》らせてしまった。


 つまり《《ビンビン》》でご理解いただけただろうか?


「おっと、兄さん。ただ読みはそこまで! それ以上は銭払ってからにしてくだせ」


「こんな卑猥(ひわい)な本など買うはずがなかろう!」 鼻血が出ている勘三。


「じゃあ、仕方ありませんな...本から手を離してくださいよ、破れるじゃないか⁈」


 勘三は離そうとはせず、「買うはずもないが...そう、参考までに聞くが値はいくらか?」


「勉強して...20貫!」


「高!@@」 もらった小遣い全額分だ。 


「さすがに高すぎる、諦めるしかない...」だが、本から手を離せない⁈


「本当にいいんですかい? これ最後の一冊ですぜ?」


「ぐ、!」


「この機会を逃すと二度と手に入りませんぜ?」


「ぐぎ..!」


「しかもまだ見ていない後半の方がもっと凄い!」


「誠か⁈」


「インディアン、嘘つかない!」右手を挙げ誓いのポーズ⁈


「ぐぎがぎ...分かった⁉ 私の負けだ! 買う、買わせてくれ⁈」


「毎度あり!」


「領収書はもらえるよな?」


「はい、喜んで!」 本日3匹目の鴨ゲット!


 当然だが、最後の一冊というのは真っ赤な嘘でまだ七冊の在庫がある!


 そして一冊の仕入れ値が10文(1000円)だとは勘三には知る由もない。


 勘三は双葉を捜して歩きながら、冷静になって考える。


(この本なら飽きるまで200発?は抜けるはず。さすれば一発あたり100文!


 コスパで考えればお買い得なのではないだろうか?)


 無理矢理正当化することにしたようだ。


 ただ問題はこの本が軍事用品としては認められるはずがないことだ。


 20貫に相当する軍事用品を何とか早く手に入れないとやばい⁈


 一方、双葉は京の町に来ていない別行動の同志のための土産物を物色していた。


 荷物運びの勘三がいないのであまりかさばるものは買わないで、懐にしまえるぐらいの物を選ぶことにした。


 デカパ〇のパンツから猫5匹ほどではないが、双葉は胸がない分、全くない分、

 懐《ふところ》がかなり広いので猫3匹ぐらいは楽に入る。


 翔平と長安にはどんな土産がいいだろうか?


 村正と味平にも忘れず買っていこう。


 助さん、格さんにも何か買ってやるか。


 などと思いながら堺の町を歩いていく。


 土産を買いそろえた時点で集合場所の宿に向かった。


 夕飯にはまだ早いのに、厨房が騒がしい。


 双葉たちが各三人前ずつの料理と追加の握り飯を頼んだので手が足りず、てんやわんやだ。


 だが、当然のように、味平が手伝っているので何とかなるだろう。


 部屋の中では皆、買ってきた物を自慢し合って、はしゃいでいる。


 特に東雲姉妹は宴会用に笛や太鼓、派手な着物に被り物に着ぐるみ、


 はては子供の玩具など使い道の分からないものまで大量に買い込んでいる。


 芸人三人衆には軍事用品以外に宴会芸用品枠を認めてやるのも仕方がないか。


 一方、部屋の隅で浮かぬ顔で座っている勘三。


 (ははん、さては何かあったな?)


 ぼったくり価格のエロ本を買って、軍資金(ありがね)全部巻き上げられたとは双葉には知る由もない。


「勘三は何か買ったのか?」


 双葉に他意はないのだが、勘三にとってはまさに、地獄の尋問が始まった。


「本を一冊だけ買いました...」 


「ほう、どのような本かな?」 


「エロ...兵法書です...」 歯切れが悪い返事が続く。


「おお、それは良い心がけじゃ。 読み終えたら私にも貸してくれ!」


「そ、それはできかねます!」


「なぜじゃ? けち臭いことを言うではないか。ケツの穴が小さいぞ!


 減るもんじゃないし、良いではないか、良いではないか!」悪代官化する双葉。


「お、お許しください、お代官様!」以心伝心である。


「正直に白状しなされ! 大方、エロ本でも買ったのであろう?」


「ご明察! 面目ない、この勘三一生の不覚⁈」


「そなたの年頃の男衆《おとこし》なら、色ごとが頭の中のほとんどを


 占めていることは承知している。 そんなに気を病まずとも良い。」


「お許しいただけるのですか?」


「許すも何も、そなたとそれがしの仲ではないか、もう気にするな。たかがエロ本一冊ごときではないか。」


(だけど、値段がばれたら、たかがとかごときでは済まないだろうな、黙っておこう。)


「ちなみに、値段は...


 言い終わる前に勘三は逃亡を図り逃げ出そうとしていた。


「皆、取り押さえよ!」 「合点承知!」


「無駄なあがきを!」 「往生際が悪いですぞ!」 「おとなしく縄につけ!」


 皆、それぞれ勘三を好き勝手に罵《ののし》りながら縄で縛り上げた。


 双葉の前に縄でぐるぐる巻きにされて転がされた勘三。


「で、値段は?」


「そ、それは口が裂けても言えませぬ!」


「試しに裂いてみるか。 希望者は挙手!」全員手を挙げた。 息ぴったりである。


「ならば平等に一人ずつ順に...


「待ってください! 言います、言いますから!」


「ならば、早く白状せい」


「では、白状した後の免責の確約とそれを書面にしてくだされ!


 (この辺り海外ドラマ【24】(トゥエンティフォー)の影響をもろに受けている)


 それが最後の条件なれば、何卒《なにとぞ》お願いします!」


「全く手間がかかる...ほれ、書いたぞ、申してみよ!」


「に、に、にじゅ...20貫です!」


「エロ本一冊に20貫だとぉー!」


「売り手の巧妙な手練手管に乗せられて、つい...」


「これはとうてい許せんな!」


「め、免責は? 書面の紙は?」


 双葉はその紙をびりびりに引き裂いた。


「そんなものは存在しない!」


「こ、国際法違反ではありませんか?」


「あんなものは、破るためにあるのじゃ! 


 トラン〇大統領も国際法など糞くらえと言っておるではないか」


「皆の判決は?」双葉が問うた。


「斬首!」 「また裂き!」 「絞首刑!」 「釜茹で!」 「電気あんま!」


「電気あんまとはどのような刑なのか? あまり聞いたことがないな」


「両足を抱えて足の裏全体でキャンタ...金的をぐりぐり、ぐりぐり、ぐりぐり...


 悶絶して狂い死にするものさえ出る恐怖の拷問だっちゃ!」


「おお!素晴らしい! それに決めよう! 他の意見は却下とする。


 よいか、勘三! 罪を償(つぐな)い清い体になるのじゃぞ!」


「わかりました。 甘んじてその刑を受けますが、できれば...


 三平、味平以外の(少し顔を赤らめて)、つまり...女子衆(おなごし)にやってもらいたい!」


「よいだろう。黒忍、そなたが執行せよ」


「合点承知! 勘三殿、ご覚悟召されよ。いざ!」


 ぐり「アヘ!」 ぐりぐり「アヘフヒ!」 ぐりぐりぐり「アヘフヒアヘ!」


 拷問は続く...


 しばらくの間、拷問は続き、ついに勘三は意識を失った。


 しかしその顔には苦痛ではなく、愉悦《ゆえつ》の表情が見て取れた。


 (これは拷問ではなく、ご褒美なのでは?)



 ―以下に続く―

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。