怪盗少女は宝石姫　 〜身も心も捕まるわけにはいかないのに〜

孤児として幼い日々を盗みで生き延びてきた銀髪と赤い瞳を持つ少女、ジェミネ。母を亡くした後、10歳でオルフィニス男爵家に養女として迎えられるが、義母や義姉たちの虐待に耐える日々を送る。
ある日、義姉の命令で貴族の宝石を盗むことになり、かつて母と交わした「宝石でできた花は誰にも見せない」という約束を思い出しながら、夜の邸宅に忍び込む。緊張と罪悪感の中で、偶然にも彼女の感情から生まれる宝石の花が姿を現す。それはただの盗みの成果ではなく、感情の表れだった。
盗みを重ねるうちに、エルマン騎士団長のルキウス・クラヴィルドが追ってくるように。ジェミネの行く手を阻む一方で、優しさと興味をもって彼女に接する彼に彼女は戸惑うばかり。
孤独と罪悪感、そして淡い恋心を胸に秘め、ジェミネは今日も夜の帳の中で宝石を盗む。
その美しき行為は、やがて王都中を震撼させる**「宝花の怪盗 ミラージュ・フルール」**として知られることになる。
果たして、怪盗少女とそれを追う騎士団長の決着は——。


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