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⒈これまで(1)

 家の外には緑色の馬車が停まっている。

 あれ、こんな状況前にもあったような、とデジャヴを感じてシルバーは窓から出した頭を引っ込める。


窓と言うには粗末な木の扉を閉じて、もう一度内職へと戻る。窓ガラスは高価で維持費もかかるので、割れてから木の窓だが、なかなか暖かくて冬には重宝している。

 

今院長はどうにも高位な方が来たとかで対応しているので、見張りの目はないが、出て行く前にしっかりと続けるように念押しされた。


 今は建国祭で使用する青い薔薇の造花を作っているところだ。

薔薇は流通量が少なく、この孤児院で造花の薔薇を作る代わりに王国から少しの利益をもらっている。

何と俺が作る薔薇が本物そっくりなそうで好評なのだが、薔薇なんて見たこともないのに皮肉なものだ。


「シルバー、お客様がお見えよ。」

玄関にいる院長から聞いたことない黄色い声がする。もう四十路にもなってそんな声出るんだと逆に尊敬してしまった。


 作りかけの茎を机に置き、足を運ぶ。扉の前にいたのは、くるんと髭を生やした清潔感のある白髪の好々爺だった。



 一目見ると思い出した。これは2回目であると。

そしていかにもな好々爺は全然いかにもでなかったことを。

 


この時シルバーは同じ人生を繰り返していることに気がついた。


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