side 御影宗谷①
ゲームを終え、金霧と合流してゲームセンターの談話室のような場所に移動した。
「どうだった?」
「いや~まさかソウから一本取られることになるとは思わなかった。」
そう。今回は訓練だったとはいえ、金霧から1勝をもぎ取ったのだ。
まぁ、一か八かの戦法だったんだけどね。
「ちょっと飲み物買ってくる。」
そう言って金霧は自販機の方に向かっていったので、俺は空いているスペースに移動した。
「ほら。お祝い。」
そう言って、戻ってきた金霧は炭酸飲料を渡してくれた。
「ありがと。」
「今回、いろいろなステージを経験したわけだけど、ソウが一番印象に残っているのはどのステージだった?」
そうだな。勝てたステージと言いたいところだけど・・・。
「どちらかというと、都市ステージの方かな。」
「あれ?海ステージじゃなのか?」
「それよりも、金霧の空を飛んでた機体の方が気になる。」
「ああ。あれね。ま、今しばらくは企業秘密って事で。」
「大丈夫。まずは俺が自分の機体の把握をしなきゃだから。」
「確かに。あれ、とんでもなかったもんなぁ。」
そう。今回海のステージで勝てたのは、機体性能とKayaのサポートがあったからに他ならない。
俺自身も反則じゃないかと思ってしまう。
「まぁ、今回俺に勝ったから、BPが大量に入っただろうし、いろいろ装備を一新してみるのも良いかもな~」
「あれ?一定じゃないの?」
確か勝ち負けでポイントは変わるけど、もらえるポイント量は定数だったと思ったが・・・。
「通常のポイントとは別に、上位者撃破の得点が付加されるんだよ。俺みたいなランカーに勝利すればそりゃ~結構なポイントが入るわけよ。」
「それなら、上位ランカーでポイント配るためにリアルマネーで交換する人とか出てくるんじゃないの?」
「もちろん居たらしいぜ?」
「”いたらしい”?」
何ともあいまいな返答だった。
「リアルの監視はできないけど、意図的に負けるかどうかはAIを通して監視しているらしい。」
そうか。MayaやKaya達の監視があるのか。
あまりにも不自然な負け方が続けば、不審に思われるって事か。
あれ?そうなると・・・。
「今回、俺って訓練と称しているから、あんまり入んないんじゃない?」
「あ、その可能性もあるか。そんじゃちょっとポイント見に行こうぜ。」
改めてゲームの受付横にある端末の所に移動してIDカードを入れる。
すると、そこには今回取得したBPの詳細が表示された。
1戦目、負けた時のポイント。2戦目、同じく負けた時のポイント。3戦目、勝利ポイント。あ、ボーナスポイントってついてる。今回は不正と受け取られなかったらしい。
で、4戦目も負けた時のポイントと。
「どうだった?」
「無事ポイントがもらえてた。」
「よかったじゃん!俺に勝ったポイントってどれくらいつくんだ?」
「えっと~。うわっ~。」
俺が思わず声を上げると、金霧が後ろから覗き込んできた。
「ソウ。絶対に言うなよ。絶対だぞ。」
金霧はそう言って念を押すようににして画面を操作してIDカードを取り出した。
「ほい。」
「これ、買えないものないだろ?」
「だな。まさか5桁に行くとはなぁ・・・。絶対言うなよ。」
更に念押しをされた。
そうだった。もう一つの用事を忘れてた。




