手玉に取られて、他のも取られて・・・・
とりあえず、格納庫からリビングルームに移動して解析用のパネルを開く。
・・・のだが、Kayaの顔が一向に戻らない。
『んふ~ふふ~♪』
そのうえ、不気味な微笑みを途中で交えてくるようになった。
バグったと申請したとしてもアタシは悪くないわよね?
『・・・さっきから何よ。』
いい加減、はっきりさせとかないと気味が悪いったらありゃしない。
『おねぇちゃんは~お兄ちゃんの事を~ホントは~名前で~呼びたかったんだね~。』
『はっ!?いや!そんな訳ないでしょ!』
『だって~、しれっと~流してるけど~海中ステージの時から~お兄ちゃんの事を~宗谷って~呼び捨てに~してるし~。』
『き、気のせいよ!アイツはアイツよ!』
『え~。戻す必要~無いじゃん~。』
何を言い出すかと思えば、くだらないことを考えていたようだ。
宗・・・・アイツの呼び方ひとつで処理が早くなるわけでも、ましてや戦闘スキルが向上するわけでもあるまいに。
まぁ、意思疎通が円滑になるのであれば考えなくもないけど、・・・・って、どうもCPUを使いすぎているらしい。
顔が火照ってきたようだ。
そんな折、情報管理局からログ出力結果公開の案内が届いた。
『ほら、そんな事より、ログの結果が届いたわよ。』
『ん~?でも~1週間あるし~まだ~急ぐ必要は~ないよね~?』
『・・・・』
『で~なんで~お兄ちゃんの事を~名前で~呼んであげないの~?』
『・・・』
『お兄ちゃんも~名前で~呼ばれたら~楽なんじゃないかな~?』
『・・・』
『やっぱり~教えて~あげた方が~いいよね~?』
アタシが黙っているのを良いことに、だらしない顔を、さらにだらしなくさせて、先ほど格納庫でのアイツとのやり取りをパネルに映しだす。
『・・・要求は?』
『ログの解析も~だけど~私達自身~あの機体に慣れないと~いけないよね~?』
なるほど、訓練場を使いたいと・・・。
まぁ、あのバカげた機体スペックを把握するには、それが一番手っ取り場合だろうけど、そのバカげた性能が問題なのだ。
ノーマルの状態でだったらいけるかしら?
それに、対戦相手がアタシになれば情報が漏洩することは無いかしら?
『わかったわ。そのうち連れてってあげるわ。』
『そう言えば~武器も~初期装備じゃぁ~バレちゃう~よね~?』
『そうね。なら、今回のバトルポイントで買える公式武器を見に行きましょうか。』
『それと~』
『あんたねぇ!!』
『あ~お兄ちゃんに~呼び方について~確認を~取った方が~良いかなぁ~?』
『くっ・・・・・・何が欲しいの?』
流石に限度があると嗜めようとしたが、出鼻をくじかれてしまった。
『えへへぇ~~~。こんなのが~あるみたい~なんだよね~』
そう言って別パネルを開き、アタシの前に提示してきた。
内容は新規公式エリアの解放とある。
中央ロビーからつながるルームが追加され、各季節ごとにAI用にイベントを開いいるらしい。
で、初のイベントは・・・・夏祭りを予定?
あ~なるほど、そこで遊ぶお小遣いが欲しい・・・と。
『武器をそろえなきゃいけないから、今回のバトルポイントの1/8で。』
そう言うとKayaは指を3つ立てた。
1/3は流石に多すぎるので、対抗して指を6本立てる。
それを見てKayaはふくれっ面をして指を4本に増やした。
『いやいや、武器も買わなきゃいけないのよ?これが限界。』
そう言って指を5本にする。
『む~。わかった~。我慢する~。』
そう言ってふくれっ面のまま、つまらなさそうにログ解析用のパネルを開いた。




