穴があったら入りたい
バグだと思って慌てたら、実は勘違いでした。
その事実に向き合うのに数秒時間を要したあと、アタシは頭を抱えるしかできなかった。
「ひとまず安全圏まで上昇しちゃおう。」
そう言うとアタシのモニターに映っている宗谷の機体が、バーニアを使って上昇を始めた。
「Maya?」
『あ、はい。今・・・行きます・・・。』
「ど、どうした?」
『いえ、気にしないでください。しばらく放置してもらえると助かります。』
「いやいや、調子が悪いなら終了するから。」
『いえ。大丈夫です。はい。まず先行して索敵しますです。はい。』
二人と一緒にいると、恥ずかしさで処理過多してしまいそうなので、その場から離れる口実を作る。
「いや、さっき通信が可能な距離は50mだったから、先行されても状況がつかめなくて各個撃破されちゃうって。」
『あ、はい。そうですね。すみません。軽率でした。状況が把握できてない私めに指示をお願いします。』
オノレ疾風。コノウラミ、ワスレヌ。
「いや、急に卑屈になりすぎだから!えっと、海ステージの特徴って対策していない場合のダメージエリアの他に何かあったっけ?」
『えっと~。粒子系武器が~事実上~使えなくなる~だっけ~?』
『はい。そうですね。専用チューンをしていないと使えません。さすがです。あと、実弾系についても、推進式の炸裂弾頭以外は威力、射程が下がります。はい。」
『お、おねぇちゃ~ん?』
『はい。こんな私めに何でしょうか?』
『え、えっと~。おねぇちゃんの~機体に~実体系の武器って~実装してたっけ~?』
『はい。コンバットナイフと牽制用のマシンガンが2丁ありますです。はい。』
「この機体もコンバットナイフは装備しているけど・・・射撃武器はレールガンだけか。これって使えるの?」
『無理~だね~。」
「ってことは、デッドウェイトって事か。」
そう言うと、目の前の機体はさっさとレールガンを手放した。
「軽くまとめると、そもそも長距離の攻撃ができないって事か。」
『できなくは~無いだろうけど~水中は~バズーカや~有線ミサイルとかの~中距離か~近接戦闘が~メインに~なりそうだね~。』
『それではこちらのマシンガンを1丁お使いください。通信可能距離で移動し、一気に敵へ接近することが現在実行できる作戦プラント愚考いたします。』
「本当にどうした!?」
『気にしないでください。』
「いや、無理だって!」
『気にしないでください。』
もうね、今日は何も考えない事にしたから。
指示してもらえば、それ以外余計なことはしないので、できればそっとしておいてください。




