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動けませんでした

前回と同じ荒野のマップにモニターが遷移したので、機体をしゃがんだ待機状態にする。


「うん。おねぇちゃんが〜教えてたことが〜できてるね〜。」


先ほどと同じように画面前方にワイプが現れKayaが映し出される。


「Kaya、今回の目的はMayaが牽制している機体撃破でいいのかな?」

「そう〜。武装は〜実弾系ライフルが2丁〜リロードは10秒で〜さっきより気持ち早め〜。近接戦闘は粒子サーベルが1本〜。装甲薄めの〜スラスター出力強め〜。」

「撃墜されやすいってことか。」

「そう〜。当たりそうになったら〜私の方で〜強制回避かけようと思うけど〜それでいい〜?」

「ああ、それで頼む。」


Kayaの説明を聞き流しながら前回の二の舞いにならないようにグリップの位置を改めて確認していく。


「ん〜〜?」

「どうした?」

「なんか〜雰囲気が違う〜?」

「さっきは不甲斐なかったからね、今度こそ1機くらい自分の手で仕留めてみたいと思ってさ。」


アタッカーだから弾切れ状態になったら役割が果たせなくなるから、残弾は注意しないとだな。

さらに右腕にセットされているサーベルを試しに引き抜いて長さを確認する。

サーベルを持つ腕を伸ばして間合いを確認する。


「よし。まずはMayaと合流かな?」

「そうだね~。さっきのインターバルで〜位置共有設定をONにしたから〜レーダーにおおよその位置が出てると思うけど〜・・・あ、出てるね〜。」


レーダーを確認すると結構遠いのか、青い点がレーダーの一番外側の円に張り付いている。

とりあえず、これを目在していけばいいのか。

フットペダルで機体の方向を変えて歩かせるが、一向に近づく気配がない。

外の映像を見る限り少し開けた所になったので歩き状態から走り状態、たまにスラスター使った移動を織り交ぜるようにして移動をする。

今のところ光点は青が1つのみ。


「10時の〜方向〜。」


突然のKayaの言葉に目線だけを向けると砂漠に似合わない色をした点が見えた。

レーダーにもギリギリ赤い点が外側の円に張り付いている状態になっている。

ロックオンすると敵機が拡大されたワイプがモニターに映し出された。

腰だめに武器を構え、絶賛こちらを狙っていることが伺える。


「190mmの〜榴弾砲だね〜。」

「あれ、届くよな?」

「だね〜。命中精度は低いけど〜威力は脅威的〜。」

「こっちの武器は?」

「弾道計算上は〜届くけど〜命中精度の悪さは〜向こうの比じゃないかな〜。あっ。」


Kayaが説明してくれているさなか、拡大画像に写る砲身が光った。

それが攻撃で、回避しなきゃと理解した頃には画面がすごい勢いで流れていた。


「今は〜実戦中〜。気を抜いちゃダメ~。」


俺がほうけていて反応できなかったので、Kayaが回避行動をとってくれたようだ。


「あ、ああ。」


注意を受けて意識を切り替え、機体を敵機正面に向ける。


「ダメ!!」

「え?」


初めてKayaに強く否定され、おもわず目線を敵機から外してワイプを見て固まってしまった。

何がいけなかったのか確認しようとしたと同時に強い衝撃が体を襲った。


「あぐっ!!」


衝撃に視界が揺すぶられ、爆発音と共に画面は灰色の煙が映し出されたかと思うと、再び強い衝撃が襲ってきた。


「何が起きた!?」


俺は断続して訪れる爆発音と衝撃にパニック状態になり、ガチャガチャとレバーやフットペダルを操作してして立て直そうとするが、一向に灰色の煙と衝撃が襲ってくるだけだった。


「はぁ!はぁ!」


そんな状態が続き、呼吸も荒く、敵の位置や自分が今どんな状態か分からなくなってしまった。


「ごめんね〜。」


Kayaののんびりした声が聞こえたと思うと、体を襲う衝撃が段々と小さくなりモニターもブラックアウトしながら中央にabortと赤で大きく文字が表示された。

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