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AIの世界だって楽じゃない。  作者: 水たまり
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まずは修羅場

艱難辛苦(小テストや課題による居残り勉強)を乗り越え、無事に週末を迎えることができた。

今日は金霧(かなぎり)と一緒に遊ぶ予定だ。

IDカードも忘れずに財布に入れたし、お金も持った。

待ち合わせは10時なので、そろそろ出発しないとまずい。


「それじゃ、母さん。行ってくるね。17時くらいまでには帰ってくる予定。」

「はいはい。あんまり無駄遣いしないようにね。」

「は~い。」


家から15分程度かけてゲームセンターに行くと、いつものごとく金霧がスタンバっていた。

時間にして待ち合わせの10分前。

いつも思うが、金霧はどれくらい前からいるのだろう。


「お、ソウ。おはよ~。予約取っておいたぜ。」

「おはよう。待たせてゴメン。」

「いやいや。別に待ってたわけじゃないって。」

「でも、待ち合わせの時にはいつもいるだろ?」

「そりゃ~いつも8時からいるからな。」


おかしい。待ち合わせは10時なのに、8時とか言ったか?


「なんでそんな時間にいるんだよ。」

「そりゃ~ココの開店が8時だからに決まっているだろ?」


違う。そうじゃない。


「いや、なんでそんな早い時間からくる必要があるのか?って事。」

「ん?ああ、ゲーセンにいると、いろいろ経験になるからな。クレーンゲームとかも、失敗した人を見て自分がやる時は同じ失敗をしないで少ない軍資金でゲットできたりな。」


一瞬考えるそぶりを見せた後、いつもやっているクレーンゲームを例に理由を教えてくれた。


「ところで、機体の調整ってどうなってるんだ?」

「情けない話、全部KayaとMayaに任せっぱなし。昨日確認しようと思ったんだけど、居残り勉強で疲れてそのまま寝ちゃった。」

「なるほど。なら、KAGUYAから聞いた話になるけど、俺とソウでクランを組むことになった。対戦相手とかのメッセージで面倒な絡まれ方をしたら、とりあえず俺に話を通せって言えばいい。後、リアルで色々絡んでくる場合もあるけど、それは明らかにルール違反だから、さっさと店の人に助けを求めるか、110番通報してしまえ。」


は?110番?警察呼ぶの?


「眉間に皺寄せて”何言ってんだコイツ?”みたいな顔すんじゃないよ。過去に実際にあった事件なんだよ。質のいい武器や素体欲しさに脅しをかけたりするやつが。傷害事件にまでなったやつもあるんだからな?」

「それは・・・アカウント停止とかになってゲームができなくなるだろうから。いろいろ本末転倒なのでは?」

「何もゲームを遊ぶ奴らが集めるわけじゃないんだよ。それを転売して小遣い稼ぎにするやつらだっているんだから。」


なるほど。その手もあるのか。自分はモデラーで、”俺の考えたすごい武器として販売しているんです。”と言われたら、そうなのか。と思ってしまう。


「で、しばらくは俺と一緒に遊ぶのを基本としてくれ。お前の素体は性能が良すぎて、他の人に狙われる可能性がある。しばらく俺と遊ぶことで、周りのやつらに”俺が作った”という勘違いをさせたい。」

「なんで・・・・って、さっきの話になるのか。」

「そっ。ソウが作ったんだったら”他にも何か隠し持ってるかもしれない”と考えるバカがいるかもしれないけど、ランカーの俺が作ったんだったら”そのレベルを作れて当たり前”という感じになる。」

「でも、金霧に迷惑がかかるだろう?」

「ま、その辺はなれたもんよ。お、呼び出しだな。受付カウンターに行こうぜ。」


話が一区切りついたあたりで店内放送で番号が呼ばれ、ゲームを始めることができた。

筐体に入り、IDカードと専用コインを入れる。

オープニングムービー等をスキップして格納庫の映像に切り替わると、そこには仁王立ちしたMayaと恨めしそうにしているKayaの姿があった。


『・・・・・』

『・・・・・』

「あ、えっと、あの。ごめん。居残り勉強で全然余裕なかったです。はい。」


無言の圧力に、初手で頭を下げて謝った。


『・・・・・』

『・・・・・』


スタンバイ時間は180秒。

コチラに非があるので、謝るしかないのだが、このまま何も会話なくスタートすることになるのか?

まさか愛想をつかされたとかってありえ・・・・るのか?


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