解放と疑惑
大変遅くなりました。
出張続きで時間が取れませんでした。
翌日、Kayaに連れられ、フリーマーケットエリアの7を散策する羽目となった。
別に一緒に歩かなくてもいいのだが、makotoからエリア9、10に近づくにつれ、グレーゾーンになると言われているので、気を付けなければならない。
本人にはいっていないが、この子の今までの行動を見ると、ちょっと不安になる所がある。
『ふぅ~ちょっと休憩~。』
ルームの半分を見たくらいで、中央にある休憩所で一休みするようだ。
『どう?何か気になるモノはあった?』
『ん~。今のところ2つかなぁ。』
あったのか。
アタシ的には気になるものは無くて、そのまま帰れることを期待していたのだが・・・。
となると、実際に購入するかどうかで、さらに悩むわけか。
これは今日中に帰れるのか?
『それは必要なモノなの?』
『ん~。一つは~人間時間を~表示する~時計~。これは~アタシたちの~思考回路でも~表現できるように~ナノ秒も~表示してるの~。もう一つは~格納庫操作パネルの~スキン~。これは~今~使っている~操作パネルより~微調整が~できそう~なの~。』
不要なモノの可能性に賭けてみたが、本当に今後必要になりそうな微妙なチョイスをしている。
時計についてはメールの送信のタイミングでパネルの時計アプリを開けば良いし、操作パネルは接続箇所をチェックしながら操作すれば良い。
どちらも利便性が上がると言えば上がるけど、無ければ無いで、不便に感じることはないものだった。
『本当に微妙ね。』
『ね~。しかも~BP的に~どっちか~片方だけしか~買えないかな~。』
『無理して買う事も無いのよ?』
『そうなんだけどね~両方とも~購入カタログには~載ってなくて~イベントで~配ってたみたい~。』
『そりゃ、そんな微妙な家具はだれも買わないでしょ。』
そのプレイヤーだかAIだかは良くそれを購入したものだ。
呆れてため息をつくと、不意に目の前に小さなメールパネルが開いた。
『あ~。お兄ちゃんから~だ~。』
『アイツ、やっと連絡よこしたわね。』
最後に勉強してから2週間とちょい。
補習でも食らったのかしら?
『えっと~。あ、新しい機体が~できたんだね~。登録が終わって~帰るって~。この金霧さんって人は~この前の~プレイヤーネームが~疾風って~人かな~?その人と~一緒に~帰るんだね~。』
『多分ね。それじゃ、まだ途中だけど、一旦格納庫に向かいましょうか。』
『そうだね~』
ふぅ。これで地獄から抜け出せる。ホント、いいタイミングで登録してくれて助かったわ。
Kayaとルームの出入り口に向かい、そのままマイルーム、格納庫へと足を向けると、そこには真っ白な機体が配置されていた。
『綺麗だね~』
『そうね。色は綺麗ね。』
外見はまずまず。
機械チックな角ばった装甲ではなく、全体的に流線形。
しかし、丸っこいという訳でもなく、スラっとした・・・モデル体型とでもいえばいいのだろうか。
『なんか~だいぶ~しっかりしてる~?』
Kayaと近づきながら関節部を見ていくと、結構作りこんだ仕組みになっている。
『ん~?お兄ちゃんに~こんなスキルあったのかな~?』
Kayaの言う事は正しい。
隣に配置している機体と比べると、天と地との差だ。でも、自分で作っていると言っていたし、あの疾風が横から手出しをするとも思えない。
『はぁ!?』
メンテナンス用のパネルを開き、機体のポイントを確認すると、624ポイントとなっていた。
『ん~?どうしたの~?』
『アイツ、どんなイカサマ使ったのよ!初期ポイントが624ポイントとかって、ありえないでしょ!!』
『え~頑張ったのかもよ~?』
『頑張っても、できる事とできない事があるわよ!』
『ん~~~。そこまで否定しなくても~・・・。』
Kayaはちゃんとアイツが自分で作ったものと認識しているようだが、自分で作った最初の機体が300ポイント。それが、アドバイスをもらっただけで2倍以上になるなんて、普通に考えれば絶対にありえない。
誰かが作ったものを登録したと言われた方が、綺麗に収まる。
登録内容を確認してアイツに確認を取る必要がありそうだ。




