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AIの世界だって楽じゃない。  作者: 水たまり
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お小遣いは自分で稼ぐべし!!

Kayaのウインドウショッピングに付き合う事、人間時間で約8時間。

長かった。

本当に長かった。

アタシには何が良いのか分からなかったけど、とりあえずワンルームを端から端まで満足するまで歩き回った。


『ん~。あんまりいいのないなぁ。』


訂正。

満足はしていなかったようだ。


『お、そこにいるのは、この前のねぇちゃん達か?』


声をかけてきたのは、以前このフリーマーケットについて説明をしてくれたmakotoというAIだった。


『あ。以前は~ありがとう~ございました~。』

『いや、気にしなさんな。』

『アンタも何か買いに来たの?』

『いや、俺は売りの方だな。相方が武器だの家具(ホームオブジェクト)を適当に買ってくるから、そいつの処分だ。そっちは今日も家具探しか?』

『そうなんだけど~予算オーバーで~。』

『あ~。プレイヤーがバトルしないタイプなのか?』

『いいえ。アイツ、テスト期間だとかで遊んでらんないらしいのよ。』

『なるほどな。そいつは仕方がない。なら・・・一応の代替案はあるぞ?』


makotoは苦笑いをしながらBP(バトルポイント)を稼ぐ方法を教えてくれた。

なんでも、訓練場で実施している訓練の一つで、AI同士でバトルを行うとBPが取得できるらしい。

ただ、付与回数に制限があったり、プレイヤーが実際にバトルする際に付加されるポイントの3割程度らしく、”無いよりはまし”程度だという。


『ただなぁ。』

『なに?こっちも問題ありなの?』

『ああ。問題というか、面倒事だな。フレンドとやるだけなら問題ないんだが・・・・あんたら二人でやるなら大丈夫か。』

『面倒な理由は?』

『荒しAIがいる。らしい。』


荒しAI。

圧倒的なスキルと機体をもって下位ランクのAIに戦闘を申し込んで一方的に相手を蹂躙して快楽を貪る。という事を生きがいとしているモノ(AI)たちがいるらしい。

らしいと言うのも、この電脳世界においてAI達の行動に度が過ぎるものがあれば、すぐにお母さん(管理AI)が動く。

だから、そんなちょっと頭のネジがぶっ飛んだAIがいれば、すぐに矯正させられるはずなのである。


『だからフレンドがいる状態か、アタシ達みたいに既に決まっているなら問題ないって事ね。』

『ああ。』

『おねぇちゃ~ん。ここは一度~動きの確認を~するために~訓練場に行くべき~だと思うの~。』

『いや、Kayaが家具欲しいだけでしょ?』

『そんなこと~ないよ~。お兄ちゃんが~新しく機体を作っている~今こそ~初心に~帰るべきだと~思うの~。』


Kayaの目は文字通りキラキラと星が浮かんでいる。

こんなエフェクトがあるという事にも驚きだが、アタシたちには訓練できない問題がいくつかある。


『Kayaの遠距離型と、アタシの近距離型で、どうやって訓練するの?』

『・・・。』


そう。役割として、アタシが敵の注意を引き、Kayaとアイツのペアが止めを刺すという戦略を取っている。

そうなると、近づけばアタシの勝ち。逃げ切ればKayaの勝ちというシンプル極まりない訓練になってしまう。


『・・・・それじゃ~行こうか~。』

『いや、アタシの話を聞きなさいよ。』


意味が無い事は分かったようだが、それでも諦めきれないらしい。

いや、BPがもらえるという意味はあるか。


『あ~。立ち入った話題になっちまうから無理に話してくれなくても良いんだが、そんなに極端な装備してんのか?』

『ええ。かなりのモノを使ってるわ。具体的に言えば、機体ポイント300でやりくりしているわ。』

『いや、無理だろそれ。どんな縛りプレイだよ。なら、フレンドとかに頼めないのか?』


makotoは呆れ顔で第三者に協力してもらう様に提案してきた。


『フレンドは~一人いるけど~今~どこにいるのか~わからないかな~。』

『ならコミュニティールームに行って呼び出すか、メールで呼び出せばいいじゃねぇか?』

『あ~そっか~。おねぇちゃん~。KAGUYAさんに~頼んでみよ~!!』


まぁ、悪くはないと思うけど、この子は決定的に訓練する意味が無い理由があるのが分かっているのだろうか。


『はぁ、さっきKaya自身が言っていたけど、今、アイツが新しい機体を作っているのに”今”の機体で訓練する意味ある?』

『・・・・。』

『・・・・・・。』

『・・・・・さて~今日は~もう遅いから~マイルームに~戻ろうか~。』


そんなやり取りをmakotoは失笑しながらおとなしく見守っていた。


『答えは出たようだな。』

『ええ。せっかく教えてもらったのに申し訳ないわね。』

『前も言ったろ?気にすんなって。俺も色々教えてもらったことを返してるだけなんだからよ。』

『なら、私たちも別なAIに返していけばいいって事ね。』


makotoは、そう言う事。と言ってマーケットエリアに消えていった。


『さて、アタシたちもそろそろ帰りましょうか。』

『そうだね。今度はフリマエリア7だね。』


おっと。

アタシに平穏はまだ訪れないらしい。

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