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頑張って覚えましょう!!


”ピピピピピピピピピピピ・・・・・”


けたたましい目覚ましの音でたたき起こされた。


『んぁ〜。もう〜テスト期間が〜終わったの〜?』


パネルを表示して日付を確認すると、まだ1日しかたっていなかった。


『おねぇちゃ~ん。目覚ましなったよ~?』


隣で寝ているお姉ちゃんを軽く揺する。


『・・・・えぇ?もうぅ?』

『もしかして~デフラグ中~だった~?』

『ええ。どうせ長期間かかるなら、ガッツリやろうと思って設定してたのよ。』


ありゃ。そりゃ体調(処理)が重苦しく感じるわけだ。

時間制限なしのデフラグだと本当に深層の断片化されたデータまで最適化しようとするから、思考や行動にダイレクトに響いてくる。


『それじゃ~、まだ寝てる~?』

『いいえ。大丈夫よ。300msもあれば慣れるわよ。』


そう言うと、おねぇちゃんは身だしなみを確認しはじめる。

データの私達に身だしなみが必要か疑問に思う人間もいるみたいだが、意外とゴミ(断片データ)がついたりするのだ。


『よし。大丈夫ね。』

『私は~?』

『自分でやんなさいよ。・・・ほら。服にゴミがついてるわよ。服になんで皺が寄ってるのよ。ああ、断片化データが変に紐づいてるのね。ならリフレッシュをかけて・・・・。』


文句を言いつつも、やってくれるおねぇちゃんが好き~。


『はい。これで大丈夫。』

『ありがと~。』


『まったく。Kayaもアイツも手間がかかるわね。テスト勉強をほったらかしてアタシ等を起動するなんて。ちゃんと勉強するように言わないと。』


お姉ちゃんはそう言いながらプライベートルームからリビング、格納庫へと向かって移動した。

道中は弟を見守っているような、優し気な顔をしていた。


『さてと、前回のログ精査の資料はいつでも取り出せるし、なんで繋いだかはわからないけど、後はアイツのPCの準備が整って、パネルが開くのを待つだけね。』


暫くパネルにLodingの文字が流れていた。


『あ~つながっ・・・ひぅ!!』


が、画面が切り替わると、お姉ちゃんの表情が親の(かたき)にでも会ったかのような、かなり据わった目に切り替わった。


『なんの用?』


声も低く、お兄ちゃん”たち”は目を丸くして反応に困っていた。

前面にはお兄ちゃんがいるのだが、その後方。画面を覗き込むように疾風さんがいたのだ。


「あ、えっと・・。」

『なに。』


おねぇちゃんの不機嫌極まりない表情にお兄ちゃんは気圧されて固まり、そんなお兄ちゃんを見た疾風(しっぷう)さんは笑いを堪えるのに必死そうだった。

でも、いつまでも話が進まないと思ったのか、恐る恐るお兄ちゃんが話しかけてきた。


「えっと~。実は今、来週のテストに向けて勉強中なんだけど・・・」

『そう。なら、勉強しなさい。次はテスト明けね。じゃぁ切るわね』

「ま、待ってくれ!続きがあるんだ。」


そう言っておねぇちゃんが手を振ってモニターを切ろうとすると、お兄ちゃんは慌ててそれを止めた。


『なによ。』

「あのさ、金霧(かなぎり)からテスト勉強をする方法でMaya達とやったらどうか?って言われてさ。俺も一人だとすぐ飽きちゃうから手伝ってくれると助かるんだけど。」

『・・・ふ~ん。別に構わないけど?』

「そうか!?助かる。」


お兄ちゃんの提案に、おねぇちゃんも据わった目から、ちょっと不機嫌な程度に戻った。

良かった。これで貰い事故にならなくて済みそうだ。


『で、何をすればいいの?』

「えっと、暗記物の手伝いをしてほしくて、問題を出してほしいんだ。」

『・・・・教科書の出版社、書籍名、試験範囲を教えてちょうだい。いろんな所に確認取らなきゃいけないけど、明日の夕方までには準備しておくわ。』

「え?」

『なに?手伝わなくていいの?』

「いや、教科書をカメラで見せればいいと思ったんだけど。」

『はぁ。それだと著作権違反になるでしょ。ちゃんと許可取ってやらないと後々面倒に巻き込まれる可能性だってあるんだから。』


おねぇちゃんはため息をつき、呆れた雰囲気を出すが、お兄ちゃんの後ろの疾風さんが気まずそうな顔をしていた。

もしかして今言ったとおり、カメラでスキャンしたのかな?


「あ~。すまん、ソウ。夜も遅いし、ちょっと確認しないといけないことができたから帰るわ。」

「あ、そうなのか?玄関まで送ってくよ。Mayaには言われた情報を後でメールで送るよ。」

『はいはい。そいじゃ、また明日ね。』


そう言っておねぇちゃんは手を振ってパネルを消した。


『さて。面倒なことになったけど、どうしたものかしらね。』


口ではそう言いつつも、少しだけ嬉しそうだった。

ここまで表情の変化が極端だと、ただ見ている分には面白いけど、巻き込まれる当事者としてはいつ爆発するかわからない爆弾と一緒にいるようでちょっと怖い。


『よかったね~頼られて~。」

『は?違うわよ。』

『お兄ちゃんが~テスト勉強で~しばらく起動しないって~わかった時は~全然やる気なかったもんね~。』

『ちょっ、そんなことないからね!?』


その後も言い訳を続けるおねぇちゃんを放っておいて、暗記問題をどうやって出題するかを考え始めた。

あれ?勉強を手伝う事は全く問題ないんだけど、そもそもゲーム補助AIの私達が手伝っていいのかな??

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