ウインドウショッピング②
大きな武器に、こんなことするユーザーもいるんだなぁ。と呆れながらMaya達2人はその場を後にした。
その後も広いフリーマーケットエリアを散策し、結構な時間をかけて入口まで戻ってきた。
『で、なんかいいものは見つかったの?』
『ん~。装備品ばっかりで~特にほしいものは~ないかなぁ~。』
『お?なんだい。ねぇちゃん達。一周してきたのか?』
このルームで一番初めに冷やかした店のAIだった。
『あ~。さっきは~ありがと~。えっと~。』
『ああ、名前か?makotoってんだ。それで、何か良いものは見つかったか?』
『私は~Kaya~。それが~。武器や~装備品だらけで~プライベートルームを飾る~オブジェクトが殆どなくて~。』
『なんだ。てっきり装備品とかを探しに来たんだと思ってたが違ったのか。それならこのルームじゃなくて、フリマ5から6のエリアになるな。』
『なんか区分けでもされてるの?』
『いや、雑多な感じで置かれていたんだけど、自分たちが見づらいっつう事で、自然と区分けがされてった感じだな。1から4までが武器や装甲系がメイン。5、6エリアがホームオブジェクト関連。7、8エリアがイベントとかで配布された限定アイテム関連だ。大雑把だが、こんな感じで分かれている。』
『9と10は?』
Mayaは説明のなかったエリアについても尋ねると、makotoは少し下を向いて考えるそぶりをした。
『ん~。かかわらない方がいいんだが、教えておかないと好奇心で近づく恐れもあるか?』
そして自分なりに結論が出たのか、改めて顔を上げた。
『9と10は、簡単に言ってスラム街だな。』
『スラム街?いやいや、アタシ等に貧困なんて発生しないでしょ?』
『ああ、金銭面や生活で貧民は無い。ただ、親から見放された子供たちのたまり場と言えばわかるか?』
『あ~。そう言う事ね。』
長い間ゲームが続くと、どうしても発生する放置状態。プレイヤーの懐事情、生活環境の変化、興味の希薄化など、理由は様々だが、ゲームをやらなくなったユーザー付きだったAI達がそこに屯っている状況になっていた。
もちろん、ゲームをやらなくなるのであれば、申請をするだけでアカウントは閉鎖。AIはプレイヤーとの紐づけを削除され、本人の意思で次の新規ユーザーの為の初期化を受けたり、職員としてゲーム本社のサポートを行うこともできる。
申請も直接ゲーム会社のHPで行うだけでなく、ゲーム筐体が置いてあるゲームセンターや、自身のアプリからもできる。
ただ、これはプレイヤーがやらなければならない手続きのため、多くのユーザーが放置しているのが実状だった。
ユーザーとしてのアカウントは生きているため、ゲーム会社はユーザーに対して復帰を促したり、申請手続き実施のメールを送信しているが、それで対応するのはごく一部のため、ゲーム会社も頭を悩ませていた。
『お兄ちゃんと~会えなくなるのか~。私も~いつまでも~待っちゃうかも~。』
『ああ、そんな殊勝な奴らだけだったらいいんだが、中には詐欺まがいのアイテムを売りつけたりするやつらもいるから気を付けておいた方がいい。特にエリア8と9の境目あたりは気をつけろ。かなりグレーになってきているらしいからな。』
『自己防衛と自己責任ってやつね。』
『一応、一般的な法律は人間世界と同じ扱いになるが、被害にあってからでは遅いからな。』
『ありがと。それじゃ、5エリアに行ってみるわ。』
『おう。気をつけてな。』
二人はmakotoと別れ、フリーマーケット5のエリアを目指した。
移動の間、電脳世界にも後ろめたい事をする人たちがいることに、少し不安を感じていた。
遅くなり申し訳ありません。
スマホの小さいキーボードでは打ちづらい。。。




