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後悔先に立たず

中央市場のブースに入ると、かなり活気にあふれていた。

入ってすぐの案内板には頭部、胸部、腕部といった部分ごとのカスタムパーツの販売のコーナーのほかに、一式装備のコーナーや、武装の種類ごとに細かく分かれているなど、幅広く取りそろえられていた。


『これは・・・どこから見ようかしらね。』

『ちょっと~予想外の広さ~だね~。』


MayaとKayaは案内板の前で立ち尽くしていた。


『ん~~~。ん?』

『どうしたの?』

『フリーマーケットって~ある~。』

『どこ?』

『ほら~あそこ~。』


そう言ってKayaが案内板のある一点を指さした。


『ホントね。でもフリーマーケット?何を売るのかしら?』

『とりあえず~行ってみよ~?』


二人は案内板に従ってフリーマーケットと記載された場所に向かうと、そこには通路が配置されていた。


『別の場所なのね。ってことは、マーケットの場所はものすごく広いんじゃないかしら?』

『かもね~。まぁ、暇だし入ってみよ~。』


そう言いながらKaya達は通路を進むと、Mayaが指摘したとおり、先ほどの中央市場と同じような広い空間が用意されていた。

案内板には部屋名として”フリーマーケット1”と記載されており、外縁には”フリーマーケット2”~”フリーマーケット10”と記載されていた。


『うわ。ここまで広いと何から見ていいかわからないわね。』

『そうだね~・・・・ん~?』

『どうしたの?・・・って、ちょっと、Kaya!?』


Kayaは合いの手を入れながら周りを見回し、ふと目についた店に吸い寄せられるように向かっていった。

そこは普通の人型なのに、片腕だけが異様に大きなアバターが番をしていた。


『すみません~。これって~本当にこの値段(バトルポイント)で~売ってるんですか~?』


そう言ってKayaが指さしたのは先ほど購入したタンスのオブジェクトデータだった。


『ん?・・・・ああ。うちの相方が購入したは良いんだけどよ。この腕のデータ格納するには小さかったみたいで使えないから売りに出してたんだ。』

定価(公式)の~半額ぐらいなんだけど~?』

『中古で、けっこう経っているから耐久値も減ってるし、そんなもんだろ?』

『そうなんだ~。私たち~始めたばかりで~よくわからないんだけど~もしかして~こういうのって~結構~フリーマーケットに~流れてたりする~?』

『そうだな。使わないのはリソースの無駄だから流れてると思うぞ。中にはレンタルで借りたけど、相性が悪くて使用権を販売しているところもあったりするな。』

『そうなんだ~。』

『ちょっと!急に動かないでよね?』

『あ、おねぇちゃん~ごめんね~。ちょっと気になったことがあって~。あ~いろいろ教えてくれて~ありがと~お礼に何か買いたいけど~それほどバトルポイントに余裕がなくて~。』

『いいって。気にすんなよ。初めは皆そんなもんだ。結構な掘り出し物があったりするから、ユーザーが寝ている時間とかで色々見て回るといいぞ?』

『そうだね~そうするよ~。ありがと~。』


Kayaは店番をしていたAIにお礼を言うと、Mayaを連れてその場を離れた。


『おねぇちゃ~ん。』


ある程度離れると、Kayaは暗い顔をしてMayaに話しかけた。


『何?追加のお小遣い(バトルポイント)はなしよ?』

『違うよ~。あのタンス。今回の買い物で2番目に大きな買い物だったんだよ~。』

『そうね。ベッドの次に高かったでしょうね。』

『それが半額だったんだよ~!ここで買っていたら~カーペットや一輪挿しとか~もっとオブジェクトが買えたかもしれないのに~~~!』

『はいはい。買っちゃったものは仕方ないでしょ?』

『そうなんだけど~。けど~~~!』


Kayaは悔しそうに身振り手振りでアピールするが、Mayaは仕方ない事だと軽く流していた。


『まったく。次に生かせる教訓ができてよかったじゃないの。』

『む~~~。』

『ぜんぶ見るのは無理でしょうけど、今日の残りの時間はこのエリアを探索してみましょ。追加でこれくらいなら使って良いから。』


Mayaはそう言ってパネルを開き、残りのバトルポイントの4分の1を提示した。

それを見てKayaはMayaの腕に抱き着くと、お礼を言ってエリア探索を始めた。



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