双子でもやっぱり個々です
電脳世界にある宗谷のマイルーム空間で、MayaとKayaは中央にある机に向かい合う様に座り、お互いにパネルを開いてログの解析を行っていた。
今回は指定したログが正しく開示されたので、二人はただ黙々と解析と反省点、改善案を洗い出していた。
そんな二人の前に一通のメールパネルが表示された。
『ん~?お兄ちゃんから~?』
Mayaはメールパネルが邪魔だとばかりにスライドして横にまわし、Kayaはメールパネルをタッチして開いた。
メールにはバトルポイントが入ったこと、その使い道をMayaとKayaに一任すること、デブリーフィングはしばらく待ってもらう事が書かれていた。
『おおぉぉぉぉ~!!』
『なに?アイツからはなんて?』
特に気にせずログ解析を続けていたMayaだったが、Kayaが声を上げたので興味を持ったようだ。
『バトルポイントは~私たちが自由に~使っても良いって~!!』
『ああ、そんなシステムもあったわね。でも、機体につぎ込むにも新しい機体を作っているみたいだし、それが登録されないと・・・今の機体に使っても意味ないでしょ?』
『なら~少しは~この部屋を~充実させよ~?』
『は?それこそ意味が無いじゃない。』
『そんなことないよ~。せめてベッドくらいは入れようよ~。』
『ん~。』
Kayaの提案にMayaは少し考えこむ。
『アタシたちにいる?基本眠ることもないし、断片化されたデータの整理だって、椅子に座っているだけでもいいじゃない?』
『気分の問題だよ~。机に突っ伏して~寝るのは~や~。起きた時~体が~なんとなくギシギシするの~!』
『いやアタシ等電脳体だから関係ないでしょ。』
『でも~気分的に~そうなんだよ~。』
『まぁ、分からなくもないけど・・・。』
『でしょ~?』
Mayaにも思い当たる部分があるので、一概に否定はできないでいた。
『でも、どこに置くの?この部屋はワンルームでパブリックスペースよ?誰か来たらアタシ等が寝ている姿丸見えよ?部屋を拡張してプライベートルームを一つ作ってベッドを置いたら、今回のポイントの半分くらい持っていかれるわよ?』
『うぐぅ~。』
KayaはMayaに指摘されるも、それでも諦めきれないのか、ログ解析をいったん中断してポイント交換のカタログを開いた。
『せめて~1/3くらいに収まればぁ~。』
さながら、お小遣いをもらった子供が予算内でいかに自分の好きなものを買えるか調べる様に、それこそカタログに穴が開くのではないかというほど、読み返しと組み合わせを調べ始めた。
『・・・はぁ。Kaya、本来1機出撃した場合のバトルポイントはどれくらいになるの?』
『えっと~これの半分くらいかなぁ~。私と~おねぇちゃんとで~出撃したから~その分多めに~もらえたかな~?』
『なら、半分はあぶく銭って事で、今回は好きに使ったら?』
『えっ!?いいの~?』
『たまには自分へのご褒美があってもいいんじゃない?アイツからは好きに使って良いって言われてるんでしょ?なら問題ないわよ。』
『おねぇちゃんありがと~!!』
Kayaは立ち上がり、机を回り込んでMayaに抱きついた。
『はいはい。なら、さっさとしなさい。ログ解析があるんだから。』
『はぁ~い!!』
Kayaは軽くため息をつくが、それでも微笑まし気にKayaに部屋を交換する様に促した。




