side 金霧進⑤
すみません。
メインの仕事が過渡期に入ってしまい遅れてしまいました。
m(_ _)m
チーム戦も悪くないと思った1戦目の後の宇宙戦。
これは作戦と読みが相手に負けた一方的な戦いだった。
同じ様な機体という点からしても、向こうは俺と違ってチームで戦う事を前提としているんだろう。
チームとしては勝てたけど、ソウが撃墜されてイラついたので、姉AIちゃんを無視して俺が一人で残りの敵を倒してしまったので、実質ノーカンだ。
次こそは一緒に勝って見せる。
それはとりあえずおいておくとして、途中、ソウの回避行動が緩くなったのは、きっと宇宙戦に慣れていないため、AIの判断で回避に制限をかけたのだろう。
慣れないとアレって結構きついんだよね。
俺も始めたころは死にそうだったからなぁ。。。
その点は実地訓練をしながらの方がいいだろう。
なので、ブリーフィングルームでソウと相談し、残り2戦は宇宙戦をマンツーマンでレクチャーを行うことにした。
3戦目は宇宙での移動方法と攻撃。4戦目は回避と反撃方法。
どちらも定石を教え込むようにアドバイスした。
まぁ、俺とKAGUYAの話になるが、AIに定石なんてものはなく、初めは俺の行動を最適化していく事だけに注意が向かっていた。
そのため、俺自身のストレスは度外視されていたので、2戦戦うのが限界だった。
まぁ、その時のおかげで俺自身の反応速度が上がったし、ランカーにもなれたのだから、結果からみれば悪くはなかった。
ただ、ソウはランカーとか興味ないみたいだし、今回の定石を見せることでAIの方も人間と自分との処理能力の差に気付くだろう。
俺たちはお互いの認識がずれているのに気づくのに3カ月くらいかかったのだが・・・。
ソウの所のAIはどうなるかちょっと楽しみだ。
そして4戦目を終えた俺たちは、再びビルドスペースへとやってきた。
「初の公式戦はどうだった?」
「金霧のおかげで無事に勝ててうれしかったよ。宇宙での戦闘もアドバイスのおかげでKayaが途中から余裕を持った動きに変えてくれて、そんな気持ち悪くならなかったし。」
妹AIにはちゃんと意図は伝わったようだ。
後は二人の足並みが揃うには回数をこなすしかない。
「ならよかった。他にも気になる事があってな・・・」
それからしばらくの間、さっきのゲームで気になった点をお互い話し合った。
「あ、そうそう。このカードに書かれたポイントって何?」
「ああ、それはバトルポイント。ユーザーが公開している武器や防具、機体とかのレンタル用品を借りることができるんだよ。後はマイルームのオブジェクトとかも対象だったかな?」
「なるほど。俺だとうまく使いこなせないだろうからMayaたちに任せるか。それにしても1回で結構溜まるんだね。」
「ん?」
そう言ってソウはパイロットカードを差し出してきたので、確認してみると、本当に結構な量のポイントがたまっていた。
「結構って言うか、かなり溜まっているな。」
初勝利とか色々なボーナスを含めたとしてもここまで増えるか?まるで特典を2重取りしたような・・・。
もしかして2機分手に入ったのか?出撃したのは2機だし、ありえなくはないだろうけど・・・。
今まで一人が2機操縦する相手とか聞いたことないから何とも言えない。まぁ、KAGUYAは何も言っていなかったし、ズルをした訳ではないんだろうけど、これは他のユーザーに見つかると厄介なことになりそうだな。
「あ~。ソウ。多分だけど、2機動かしたから、その分入ってきたんだと思う。ただ、そのことは黙ってた方がいいと思う。」
「え?」
「俺も帰ってからKAGUYAに確認するけど、俺の知る限り2機動かせるプレイヤーは見たことがない。」
「結構レア?」
「世界中探せばいるのかもしれないけど、いたとしてもほんの一握りだと思う。素人のソウがそれをやったとなると、ネットが間違いなく騒ぐだろうから、あんまりいい話にはならないと思う。」
やつらはちょっとした情報から個人を特定するまでを楽しむ。ひどいのはリアルの住所特定までしてネットにさらすやつまでいる。
そのこと自体が犯罪にだというのに。。。。
「対戦相手からフレンド登録も、諸手を挙げて承認しない方がいいかもしれない。」
「・・・・。わかった。特にフレンドを増やすつもりもなかったけど、迂闊なことはしない様にするよ。」
ソウは少し考えるそぶりを見せ、特に不満も見せずにうなずいた。
そのあとソウと別れ、家に着くとすぐにPCを立ち上げ、ゲームアプリを起動した。
ローディング画面が起動し、行き先をマイルームに設定する。
「なぁ、KAGUYA。今日のバトルについて確認したいことがあるんだが?」
『答えられるものなら答えるが?』
「今日の戦闘で、フレンドは2機の機体を制御していた。KAGUYAも2機同時の操作は可能なのか?」
『無理だな。マスターが機体の姿勢制御、ロックオンした敵への照準、武装切り替え時にはマニュアルでの操作、カメラフォーカス、その他雑事を行ってくれるなら可能だ。』
「ってことはフレンドはそれが可能だという事か?」
『回答不可。個人のスキルはこちらでは判断できない。』
「可能性は?」
『ゼロ。』
だよな。となると視点を変える必要がある。
「それじゃ、AIの性能がけた違いに良いという可能性は?」
『・・・回答権限がない。』
「回答権限がない?姉AIと妹AIとで性格が微妙に違っているようだったが、本当に同一AIなのか?」
『回答権限がない。』
「AIが双子と言っていたが、AIが同じ様な性能で、機体制御の為のサブモジュールの作成ができるのか?」
『回答権限がない。』
「回答権限を指定しているのは運営からか?それともゲームストーリー的に隠されているからか?」
『回答権限がない。』
「・・・・。」
『マスター。一つだけ答えるとすれば・・・いや、助言になるか。取り敢えず、その疑問は広めない方がいいぞ。』
KAGUYAが答えられないという事は今の質問は肯定も否定もしないという事。
つまり、こちらで推測しなければならないという事だ。
だが、答えが出るものなんて、一番初めにしたAIの性能くらいだ。
今日のバトルでAIの性能がけた違いに良いのであれば、ソウが撃墜されることも、宇宙酔いすることもなく、普通に勝てただろう。
つまり、普通のAIのスペックという事だ。それしかわからない。あの二つのAIが同一なのか、1AIがサブモジュールを作れるのかなんてわからない。
KAGUYAからの忠告もあり、”サポートAIに対して制限を掛けられる程イレギュラーな事象”という事だけが分かる、あいまいな結果だ。
ただ、KAGUYAと話をしてみて、ソウに忠告しておいたのは良かったという事が分かって、少しだけほっとした。
後はまぁ、なる様になっていくだろ。
ちょっと回りくどかったですかね。。。




