初の公式戦③
おねぇちゃんに戻ってきてもらう様にお願いはしたものの、私達もおねぇちゃん達から遠ざかっている状況は、鼬ごっこそのものだろう。
ただ、逃げているこっちには限界があるという事だ。
このまま後退を続けても、フィールド上限はあと1キロもないだろう。そこに追い詰められたら近接武器でタコ殴りに合うかな?
「これ、手も足も出ない状態?」
『そう~。牽制程度の攻撃をしたくても〜敵を撃墜できる火力で攻撃したら~その後ろに居るおねぇちゃん達への~同士討ちの可能性が~出てくるの~。』
「・・・今収束している粒子を一旦キャンセルってできる?」
『へ?』
「放出粒子を抑えて、有効射程範囲を敵のギリギリにして乱射するの。」
『できなくはないけど~・・・あ~スイッチするってこと?』
本来、こちらがアタッカーでお姉ちゃんが陽動だが、その役割を入れ替えるという事か。確かに、現状では敵を撃破するためには高威力の武器を正確に一発当てる必要があるけど、味方が撃破できるように敵の耐久値を削るだけなら何とかなるだろう。
『ん~それしかないか~。それじゃ〜連続して発射には5秒間隔が限界〜。余裕を持つなら6秒だけど〜これで結構持つと思うよ〜。』
「わかった。」
粒子収束状態を解除し、敵に向けて照準を合わせる。超長距離からの狙撃をしていた機体だから、こちらの動きはしっかりと見えているのだろう。
銃口に粒子収束が行われていないとわかると、敵からの攻撃がさっきより増えてきた。
お兄ちゃんが回避をしつつ牽制の攻撃を行うと、双方少しずつだがダメージが蓄積されるようになってきた。
でも、目的は撃墜”する”事から、撃墜”してもらう”事に変わった。こちらは撃破ではなく、牽制さえできればいい。攻撃・回避タイミングはもちろんお兄ちゃんの判断だ。こっちは動きたいように、そのサポートを全力でするだけだ。
後退しつつ、攻撃を行っていくと、ついにフィールド限界に到着したようで、それ以上の後退ができなくなった。
後はもう接近させない様に乱射状態でしのぐだけ。それも長くは続かず、粒子砲はオーバーヒート状態になってしまった。これが回復するまでは攻撃手段はない。
「ここまで・・・かな?」
『そうだね~」
「ゴメンね。最後まで戦えなくて。」
『そんなことないよ~。初戦としたら~頑張った方だと思うよ~』
敵もこちらに打つ手がないことが分かったのか、近接戦闘の装備を構え、とどめを刺そうと近づいてくる。
「ソーーーーウ!伏せろーーーーー!!」
そんな時、疾風さんの声が聞こえ、反射的に私はしゃがみ、前進移動を行って機体を伏せさせた。お兄ちゃんもしゃがみボタンまでは押せていたから、だいぶ慣れてきていて良い傾向だ。
それはさておき、伏せていたので、よくわからないが、派手な効果音と共に敵機は爆発。敵機の代わりに疾風さんの機体がその場に立っていた。
「ナイスバトルだったぜ!ソウ!」
どうやって一気にここまで詰めたか気になる所だけど、これだけは言える。
お兄ちゃんは、今日、初めて、”勝てた”んだ!
体調がぶれてきたので、出来次第かつ途中でも投稿させていただくです




