方針決定!!
「・・・ねぇ、Kaya。」
「ねぇ~。おねぇちゃ~ん。」
二人同時に結果にたどり着いたようでお互いに声をかける。
「・・・Kayaからいいわよ。」
「うん~。これから頑張るよ~とだけかな~。」
「やっぱりそうなるわよね~。目は早いんだけどねぇ~。」
「行動については~今後に期待。だね~。」
「そうね。じゃぁ、次はカスタマイズ案ね。」
そう言ってMayaはパネルを開き、機体イメージを表示させる。
デフォルトを中央に置き、今日使ったディフェンダーとアタッカーのイメージをそれぞれ3枚ずつ並べる。
「元のカスタムポイントが低いのが致命的なのよねぇ。」
「それは~お兄ちゃんのお友達に~期待しよ~?」
「まぁ、それもそうね。まずは明日に向けて、今あるポイントで何とかしないとね。どっちから決める?」
「う~ん。ディフェンダーからかな~。・・・・あ~。ごめんアタッカーからでいいかな~。」
Kayaがディフェンダーの設定を開いたと思ったら、スライドしてアタッカーを開いた。
「攻撃方針が決まらないと守れないものね。それでいいんじゃない?それじゃ、まず、それぞれ案出ししてみましょうか。」
MayaとKayaがそれぞれパネルを開き、互いに機体のパラメーターをいじりだす。
二人で黙々と設定を行う事30分。それぞれ一押しの設定ができたようでお互いにお披露目を始めた。
「アタシの方は実弾系武器で短距離マシンガン。2丁持ちで装甲固め、ポイント不足を補うため、スラスター移動というよりは歩行移動がメインで、戦闘スタイルとしては突撃しながら撃破していく感じかな。」
「私は~粒子系長距離ライフル~。装甲は普通~移動はホバー系にして~戦闘スタイルは長距離からの一撃離脱~。」
そしてお互いの案をパネルを交換して設定の詳細を見る。
「こりゃ・・・・」
Mayaが思わずつぶやいたとおり、二人の設定は両極端に分かれたものである。
「アタシが戦闘ログから思ったのは、突っ込み癖があるように感じたんだけど、Kayaはどうしてこの設定に?」
「ん~突っ込んではいたんだけど~武器の有効範囲に入るために~突っ込んだだけのような気がしているんだよね~。」
「なるほど、ディフェンダーの時は実弾だったから、弾道が落ちる前の射程に入ろうとしてたって事ね。それをまかなうための粒子系武器って事か。」
「だよ~。」
「そういえば、スラスターもポイントを結構使うんだったわね。」
「そ~。えっと~この2戦目のやつ~。これってかなりシビアな調整してて~スラスターと粒子兵器だと、粒子兵器の有効攻撃が400m無いんだよ~。」
「・・・あれま。350近辺なのね。そうなると程々に接近しないと無理だわね。ってか、すごっ!残りポイント0とかって・・・。よくこんな設定できたわね。」
「えへへぇ~♬」
Kayaは自慢げな顔で設定を見せる。
「でも、おねぇちゃんの設定だと、ディフェンダーは守りやすいよね。私の設定でディフェンダーを近くに置いちゃうと、戦略的に1機もったいない状態になっちゃうもんねぇ。」
「遠距離だったら、もう片方はディフェンダーじゃなくてディヴァージョンタイプにすればいいのよ。バランス型ならいい感じになるんじゃない?」
「確かに~。悩むねぇ~。」
「まぁいいわ。ひとまず自分の考えたアタッカーのサポーター機の案も出してみましょ?」
「了解~。確かに~そっちの組み合わせと一緒に考えてみるのも手だね~。」
そして二人があ~でもない。こ~でもない。と議論を続けているうち、いつの間にか日付を跨いで朝日が昇るような時間になっていた。
「ん~とりあえずこんなもん?」
「時間もないし、ひとまずこれで行くしかないね~。」
そう言って二人が2枚のパネルを注視した。
「アタッカーは粒子系長距離ライフルを基調として、移動はホバー。これはスラスター光でばれる移動先が分かりづらいようにするためね。ただ、装甲は薄目で小さめのシールドを装備させる感じで、対長距離戦防御用。」
「サポート機は~実弾系中距離マシンガンで~標準シールド持ち~。装甲強めの~スラスター標準って感じだね~。」
二人は自分の仕事が達成できた満足感で、満面の笑みを浮かべていた。
「後は、この2機を使ってシミュレーションを繰り返して武器やスラスターとかの位置決めね。」
「そうだね~。・・・・あ゛っ。」
Kayaがシミュレーションの準備をしようとしてパネルを開くと、眉間に皺を寄せて苦虫をつぶしたような顔をした。
「何よ。まさか設定をリセットしちゃったとか言うんじゃないでしょうね?」
「あ~。そっちは大丈夫~。2重でバックアップ取ってるから~。」
「じゃぁ何よ。」
「あのね~。作ってないんだよ~。」
「だから何をよ。」
「バトルログの検証結果と~その考察~。つまり~デブリーフィングの~資料~。」
「・・・・・作ってないわね。」
「そしてさ~シミュレーション設定を見て気づいちゃったんだけど~もう一個~忘れちゃってるよね~。」
「・・・・確かに。足りてないわね。」
「ね~。地上だったら~この設定でいいけど~”宇宙”だとね~。」
「できなくはないけど、宇宙でホバー移動とかって・・・。」
「足だけに~スラスターがついているようなもんだもんね~。」
「さっき考えた機体設定のシミュレーションと並行で作業したとして、今から作って間に合う・・・合わせるしかないわね。」
そう言って作業を始めるKayaとMayaの周りには、ログ精査を始めた時以上のパネルだらけになった。




