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ムチだけじゃなくてアメも欲しいです。

もともと、電脳空間のお話は元の話と並行で別物語として書かれてたから、どうやって一本化するか悩み中。

とりあえず後書きに移動してみました。

色々模索中です。

風呂から上がると、初期設定は完了していたようで、ポップアップ画面に[格納庫に移動しますか?]のボタンが配置されていた。


「おお、これでスキャンした模型のパラメーター設定ができる。」


いくらドノーマルの素体といえ、スラスターの出力やら武装などのポイント配分は自分で設定しなければならないので、このままカードをもってゲームセンターに行っても、ただ歩くことしかできない。

移動ボタンをポチると、何やら武器庫のようなシーンに切り替わった。


「へぇ~。こんな感じなのか。えっと、まずはメニュー画面から機体をハンガーにセットするみたいだな。」


画面と説明書を見つつ、まずはスキャンした機体を選択してみると機体が格納庫に仁王立ちした状態の画像に切り替わった。


「おお~。」


さっきから驚きの声しか出せないが、一つ一つがしっかり作り込んでんであり、すごく面白い。

初期ポイントは300ポイント。

多いんだか少ないんだかはいまいちわからない。

説明書によれば、作りこみがしっかりしているほど高ポイントが割り振られるみたいだが、市販の標準模型なので、素体のデフォルトが300ポイントなんだろう。

説明書を見ると、スラスター設置が15ポイントで、推力を上げるには1箇所1ポイント必要になると。

ってことはスラスター2個設置して安定性を持たせつつ推力を上げるには2ポイントずつ消費することになると・・・。

かなりやりこみ要素が強いな。現在時刻は22時。今日中までには終わらせたいものだ。





「ふぅ。こんなもんかな?」


自分なりに試行錯誤を行い、スラスター系強めの中、近接戦闘でのヒット&アウェイ型のカスタマイズにしてみた。

とりあえず、保存しようとボタンを押すと、画面にデカデカと[却下!!]の文字が現れた。


「ちょっと!なにこの紙装甲の機体!これじゃ、スラスターの速度に負けて自滅するわよ!」


そういいながら画面の脇からアニメチックなキャラクターが出てきた。


「なんだこいつ。」

「失礼ね!アタシはアンタのサポートAIのMayaよ。」


そういえばパラメーター振り分けが楽しくってすっかり忘れてた。


「・・・すまん。てっきり特別な部屋に行かないとサポートAIとは会話できないんだと思ってた。」


実際、メニュー項目にはマイルームと格納庫と別々になっていて、取説にはマイルームで話ができるとしか書いていなかったので、格納庫までやってくるとは思わなかった。


「まったく、なかなかマイルームに来ないから格納庫に来てみたけど、正解ね」

「おねぇちゃ~ん、まだ~1回も実践に出ていないんだもん。こんな~偏った使えない機体設定にしちゃうのは~仕方ないよ~。」

「えっと、君は?」


しれっと軽めの毒を吐きながらもう一人が画面に入ってきた。


「私は~Kaya~。あなたの~サポートAIですよ~。」

「あ、そうですか。」


てっきりサポートAIは一人につき1個体だと思っていたけど、違うらしい。


「たいていの人はマイルームにすぐ来るから、そこで自己紹介するんだけど・・・。まあいいわ。アタシはMaya。双子の姉で、こっちが妹のKaya。」

「よろしくね~。お兄ちゃん。」

「お、おにいちゃん?なんで?」

「だって~お兄ちゃんだから~。」

「・・・・。」


特にそれ以上の説明はないらしい。


「そう。えっと、改めて二人ともよろしく。で、このパラメーター設定のどこを直せばいいかな?」

「はじめっからね。」

「はじめから~ですね~。」


二人の採点は0点らしい。


「え~?ヒット&アウェイ型としては良い方なんじゃないの?」


そういうと、Mayaがこちらのほうを向き、ビシッと指をさす。


「それはある程度実力のある人のセリフ!」

「まずは~勝てなくてもいいので~使える機体に設定しましょう。」


そういうと、俺が苦心して設定したパラメーターをあっさりとリセットしてしまった。


「って言うか、初期ポイント低!初期ポイントは平均400オーバーなのに300とかって・・・。」


自分の作成スキルが低くて初期素体でさえ減点されているらしい。


「えっと~。400ポイントを想定していたから~ちょっと困っちゃいましたねぇ~」


kayaは困った顔をしながらタブレットっぽいものを取り出す。

なぜ、タブレットっぽいものと表現したかというと、kayaのいる場所がすでにPCの電脳空間内部なのに、インターフェース上必要なだけじゃないかと思えるからである。


「どお?アタシの見立てだと250くらい素体の平均化で持っていかれると思うんだけど。」

「そうだね~。地上戦限定なら~200で何とかなるかもしれないけど、宇宙戦のことも考えると~250は必要だね~。」

「そっか~。課金すればポイント入るけど・・・。」

「お兄ちゃんに~無理はさせられないよ~・・・」


俺をそっちのけで相談を開始した双子AIに置いてきぼりを食らっている状態になり、ふと時計を見るとすでに26時を回っている状態だった。


「すまん。真剣に話し合っているところ申し訳ないが、明日も学校があるから、もう寝せてくれ。」


怒られるのを承知で提案させてもらうと驚いたように二人が振り向いた。


「はぁ!?何言ってるの?当たり前でしょ?なんでもっと早く言わないのよ!」

「お兄ちゃんは~もっと早めに言わないと~だめだよ~?あとは~私たちで~やっとくから~早く寝ないとだめだよ~?」


理不尽って言葉はこのAI二人に登録されているのだろうか?

ダメだしして、勝手に話が盛り上がって、俺のことを忘れて没頭していたのはどこのAIだろうか?

まぁ、それだけ真剣に考えてくれているとプラス思考でとらえることにしてPCの電源を落として寝ることにした。

<<<<<<<<<<ゲーム内電脳空間>>>>>>>>>>

「な、なぁ。今の俺の聞き違いか?名前が2つ聞こえたような気がするんだが。」

戦車型のAIが明後日の方向を向きながらつぶやく。

「聞き違いだったらいいんでしょうけど、KAGUYAだけじゃなくて私にも聞こえていたってことはそう言う事なんでしょうね。」

「管理AIに打ち上げる?」

「しかないだろう?と言うか、harukaが打ち上げなくてもだれかすでに打ち上げているんじゃないか?」

「だよね。・・・・っと、打ち上げ終わりっと。」

角張った人型AIのharukaは管理AIに対してログと1ユーザーに対して2人のサポートAIが割り当てられたことを打ち上げた。

「さて、後のことは管理AIに任せるとして、kazami、haruka、せっかくだから俺らで模擬戦しないか?」

「私はパス。今日はご主人が帰ってきたら上位ランカー対策を相談することになっているから。」

「僕は大丈夫だよ。スラスター周りを変えてみたから、ちょうど試したかったんだ。」

そういってharukaはフットパーツを見せる様に上げる。

「じゃぁ、演習場の予約もとれたし、行くとするか。」

「またね~kazami~。」

KAGUYAはキャタピラをキャリキャリ言わせながら、harukaはKAGUYAの空いているスペースに乗って演習場へと向かっていった。

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