九話 里の案内
「まずは居住地区ですね」
「は⁉お前らこんなぼろい家住んでんの⁉」
「はい?この家は現在の量産型技術の最高峰を使っているものですが?」
「分かった。なら次は今使っている道具を見せてくれ」
「分かりました」「持って来なさい」
「はっ!」
は、早い!
「こちらです」
「これが今の道具ですね」
それは黒曜石の石器であった。
「え、、こんな弱いもの使ってるの?」
「いえ、一応鉄器もありますが鉄が足りないんです」
「分かった。俺が最初にやることは決まったな」
「なんですか?」
「そりゃ人の町に行ってかっぱらってくるんだよ」
「は?人は面倒くさいので関わらな、、貴方も人でしたね」
「まあな」
「町の構造を覚えているのならいいですよ」「見つからないでください」
「分かった分かった」「それより鍛造炉は?」
「それはこっちですね」
なんでこんな近代的なの?ここだけ
「なんでこんな鉄でできてるのかな?」
「それはダンジョンのクリア報酬ですからね」
「使えるのか?」
「ええ、我ら鬼は【火魔法】を生まれた時から標準で持ってますから」
「俺は持ってるかなーっと」
「どうですか?転生のプロセスは分かってないところが多いんです」
「おお?【日魔法】だぞ?」
「【日魔法】⁉【火魔法】の上位ですよ⁉」
「おお、なんかもってたっぽい」
「もう常識じゃ測れませんよこいつは。」
「酪火?逃げてきたんですか?」
「あっ姫様、、これは、、」
「一週間私のお菓子あげません」
「それだけは!それだけはやめてください!後生の頼みです!」
「たかがお菓子で、、、、?」
「貴様!貴様も姫様を説得してくれ!」
「いや無理だろ」
「なにっ⁉」
「ら~く~か~?どうでもいいので早く父上の元に戻ってください」「連れて行って」
「「はっ!」」
「そんな!私じゃあの長は無理です!姫様ぁぁぁぁぁぁぁ!」
その日から一週間の間毎晩、酪火のうめき声が聞こえたという