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15話 今夜は寝かされねえぜ


 ラインのメッセージ4ケタってなんだよ。


 来すぎだろおい。


 どういうことなんだよ一体。



「まあ、見るか……」



 ドン引きしながらも、アイコンをタップして中身を見る。


 放置していても話が進まないどころかよりやっかいなことになるからな。


 詳しく見てみると、これは数時間前から送られていたものだった。


 ああ、俺が勉強を始める少し前か。

 勉強に集中するために、ラインの通知を切っていたことを思い出す。


 だからメッセージが来ていることに気づかなかったんだな。


 さすがに篠原さんと話していた数分の間に送られてきていたものではないらしい。


 あーよかった。

 もしそうなんだとしたらもう怖くてラインをアンインストールしていた。 

 

 いやまて。

 よかったと言っていいことか?


 数時間に4ケタ。

 十分におかしい。


 一人あたり2〜300件と言ったところか。


 とは思ったものの、7人全員が同程度のメッセージを送ってきたわけじゃなかった。


 内訳としては


 結野さん:6件

 青山さん:12件

 加藤さん:10件

 篠原さん:8件

 星川さん:15件

 吉井さん:22件



 上村さん:約1500件


 


 だった。


 いや比率がおかしくない?

 偏りおかしくない?


 他の人はまだいいとして、上村さん一人で1500ってなんだよ。

 なんで彼女1人でそんなに送っているんだ……。


 恐る恐るメッセージを見てみる。


『京介くん。こんばんわ。さっきは突然家にお邪魔してごめんなさい』


 から始まった。


 最初こそ普通だったが、俺がなかなかメッセージを返さないどころか既読すらつかないことに業を煮やしたらしい。


 どんどんメッセージを送る頻度が上がっていった。


 そして何度か電話もしてくれたのだけど、運悪くその時は俺が篠原さんと電話していた時間だった。

 だから当然電話も通じず……。


『なんで電話出てくれないんですか?』


『わたしのこと嫌いになってしまったんですか?』


『でんわ でて』



 とメッセージが来て終わっていた。


「あ、やべえこれ」


 俺がドン引きしたちょうどそのとき、電話が来た。


 当の上村さんから。


「はい、佐々木です」


 まさか出ないわけにもいかないから、電話にでる。


「京介くん……! やっと出てくれました!」


「上村さん」


 電話ごしに、嬉しそうな上村さんの声が聞こえてきた。


「メッセージ送ってくれたのに返信しなくてごめん。ラインの通知切ってたから気づかなかったよ」


「いいえいいえ、いいんです! 京介くんが電話に出てくれただけでも嬉しいので! ありがとうございます!」


「上村さん……」


 通知切っていたとはいえ、ラインに返信しなかったのは俺が悪い。


 それなのにお礼まで言うなんて。

 健気でいい子だ……!



 いや、健気でいい子は1500件もメッセージ送らないのではないか?


 まあいいか。

 あれについては考えるのをやめよう。


 世の中考えない方がいいこともある。


「それでですね、京介くんーー」


 そのまま上村さんが話し始め、話を続けた。






 そして上村さんと1時間ほど電話をした後、俺は他の彼女たちにも電話をかけた。


 上村さんと話している時に全員から電話がかかってきていたからな。


 不在着信がたんまり来ているぜ。


 放っておいたら後が怖い。


 そのまま全員と電話をすることにして、数時間後。



 最後に電話をした吉井さんがなかなか話を終わらせてくれず、気がついたら日が昇っていた。


「もう4時半か……」


 徹夜で電話をしてヘトヘトだ。


 しかし休むわけにはいかない。


 電話の最中、全くと言っていいほど宿題が進まなかったからな!


 朝のホームルームが始まるのは8時半だから、時間にしてあと4時間。


 家から学校までは30分ほどかかるから、実質あと3時間半。


 3時間半か。

 残った宿題の量からみて、全力で問題を解き続けてギリギリ終わるか終わらないかと言ったところだ。


「なるほど、今日は寝れねえな」


 家を出るギリギリの時間まで、俺は宿題を解き続けた。



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― 新着の感想 ―
[一言] そこまで出来るのはすげぇ…尊敬するわ
[一言] お前はすげーよ ハーレム維持するつもりか、 いやほんとすげーわw
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