ゴブリンvs
この世界のゴブリンの身長は150cmくらいです。大きいと2mとかそんくらいの大きさもいます。
オークは250cm、デカくて3mくらいと思ってくれればいいですかね?
(今回オークが出るとは言ってない)
目の前にいたのはいわゆるゲーム内のゴブリンのような見た目をしたモンスターだった。見える範囲だとこの一匹だ。もちろん逃げるのは楽だが、弱いと判断されるとこういう集団的に襲ってくる敵には攻めの理由を与えてしまう。
「なら戦うしかないよな……」
少し歯を食いしばりリーンを落ちないようにしっかりと抱える。もちろんリーンを下ろすとリーンが狙われるかもしれないという恐怖から俺はこの選択をした。
「かかってきな雑魚が」
と言いつつレベル的にはこちらが雑魚だが少し強がるのは知性のあるモンスターには効果的なはずだ。
ゴブリンが徒手空拳の構えをする。こちらは生憎足しか使えないが下段中蹴りの構えをする。どちらが攻めてもカウンターするという両者の意思表示を示し合わせているようだ。しかしその沈黙はゴブリンによって破られた。
「ルガァァァァ!!!」
と勢いよく突っ込んでくる。俺は動きを見て、三年前やっていたFPSゲームのように相手の挙動を読む。
(右手を振り上げた……そしてそのまま…!)
俺は即座に後ろに引き、その後上げていた足を支え側に変え、即座に相手の顔面へ蹴りをした。相手は反対側の足が飛んでくると思わなかったのか受身を取れずにそのまま怯む。
俺が後ろへ引いたのは相手もフェイントをすると察したからだ。
(このゴブリン、中々知性が高いな……)
多分もう一度同じフェイントは通用しないだろうと予感できた。
(……ならどうするか)
相手は先程の攻撃を受けてから俺が強いと思ったのか少し距離を引いて攻めの構えをとっていた。が、それでも確実に攻めたら一気に距離を詰めれる範囲だ。
人間とゴブリンの高度な心理戦が始まりかけたがそれは唐突に終わった。
「!!?」
ゴブリンの首元に突如剣が出現し、その刃がゴブリンの首を切り裂いた。
「よし、討伐完了……ってお前は、」
そこには三年前魔王討伐を命じられた…否、俺と共に異世界に召喚させた勇者たちがいた。
「………………」
「…………………………」
「なんですか?勇者様この村人の方とお知り合いで?」
「あ、あぁ、一応、な?」
確かに一応だ。コイツらと俺とは元々面識がない。完全に俺が誤召喚されただけなのだ。
「三年ぶり、だな?」
「あぁ、まぁ……」
とても気まずい雰囲気が流れる。そりゃそうだこちらからしたら魔王討伐してくれるのを待つだけの一般村人、片やあちらは、俺が雑魚召喚されて街でのんびり暮らしてることを知ってる勇者。しかも三年前に見ただけというその程度の出会いだ。てか正直覚えてるのは驚いた。
「……とりあえずここで話すのもアレだ。俺の店に来ないか?」
俺はとりあえずそういうしか無かった。
気まずいですね。作者だったら多分「ひ、人違いだと思います……!!!」って言って逃げてる。
次回は勇者とトールの会話になるかな?