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ギルド(色々)

夏休み割と時間に余裕があるなら水曜も投稿したいと思ってるこの頃だけど……多分無理だな

じいさんの家まで荷物を運んだ帰り、俺はリーンにも伝えたがギルドに来ていた。


「すみませーん、依頼しに来たんですけど」


もちろん依頼者の方でだ。


「あ、トールさんですか。はいはい今日はどんな依頼を?」


と対応してくれたのは、ギルド嬢の中でも一番の顔見知りのキャシーだった。


「あ、今日は魔獣の角5本で、依頼料は、500シルバーでいいですかね?」


とついでなのでここら辺で通貨の単位を言おうと思う。


この世界には、ブロンズ、シルバー、ゴールドの順に通貨が存在する。ブロンズが1000溜まるとシルバー、シルバーが1000溜まるとゴールドといったふうになっている。わかりやすい値段を言うとお菓子や小さなツマミ程度が大体100ブロンズで昼飯とかには高くて500シルバー程度、と見てもらおう。だから俺の依頼料は、このクエスト受けたら今日の夕飯は豪華にできるぞ!程度のモノだ。それくらいの難易度だし申し分ないと思う。ちなみにウチの八百屋の収入は年収500ゴールドを超えている。結構盛況なのだ。


「はい!いつも少し簡単なクエストでも報酬がおいしいってギルドの人たちも喜んでるんですよ」

「そうなんですか?」


それは意外だった。てっきり少し高いくらいにしないとやってくれないものとばかりに……


「だからあなたの依頼はいつもすぐに終わってるんですよ?」

「なるほど?どうりでみんなお前の依頼はすぐ終わっていいもんだなって言ってくるんですね……」


多分今日もギルド出たら絡まれる、まぁそういった人たちも悪気があるんじゃなくて優しく話しかけてきてくれるだけなので問題はないのだが、


「ハハハ……それは、まぁ」


と少し雰囲気が悪くなる。


「っと……そういえばリーンを待たせてるんでした。キャシーさん、では僕はコレで」

「あ、は、はい!分かりました。今度はリーンちゃん連れてきてくださいね?」

「あ……善処します」


と多分連れてくることは無い……というかこんな所にリーンを置いたら冒険者とかいう野蛮な人たちになにかされるかもしれないから絶対に連れてきたくはないが、

と思いつつ、ギルド内部を通って正面から出ようとする。が、


「お、トールくんってのは君かい?」


と、謎のイケメン風な青年に話しかけられた。


「あ、はい、そうですけど……何か?」


いきなり話しかけられたので少しビビる。


「あー、ごめん、驚かせちゃったかな、いやー、君ってこの町だと結構有名でさ、君のところの食材はめちゃくちゃ美味しいとか」

「あ、好評なようでとてもよかったです」

「で、ところでなんだが君、僕のことを知ってるかい?」


ん?どういう系統の質問なんだ?自分のことを知ってるか?ってことか?……しかし店に来た人は全て覚えてるが彼の顔には全く見覚えがない……。


「すいません、少しも知らないですね?店に来てくれた人は覚えてるんですが」

「あー、そうか、それは失礼した。僕はいわゆる勇者と呼ばれている人でね?少し君にいい提案があるんだ」

「提案……ですか?」


なんだろうこの勇者と名乗ったイケメン、とても嫌な予感しかしない。てかあの四人組以外に勇者とかいたんだ……いや、レアってだけだからいるにはいるのか。


「そうだ、ほら僕って勇者だから結構有名なんだよね?そんな僕が君のところの食材を買って美味しいと言えば君はさらに稼げると思わないか?」


あぁ、そんなことか。


「ということは買っていただけるんですか?」

「いや、だから提案だ。君は僕に無償で毎月食材をある程度送って欲しい。それを僕は他の町の人間にも素晴らしい食材があると、吹聴する。そうすれば君は他の国の人とも交流できてさらに商売繁盛できる。いい提案じゃないか?」

「あー、なるほど?分かりました、では丁重にお断りさせていただきます」


と俺が言うと勇者はとても驚いた顔をする。


「なんでだ?君にとって得しかないじゃないか!」

「どこに得があるんですか?」

「勇者の力の手助けになったとしたら僕が魔王討伐した暁には君は勇者の偉業の恩恵に預かれるし、さらに他国からのお金を手に入れられるんだぞ?どこに得がないと言うんだ!」

「……いや、どこにもないじゃないですか。そもそも俺は趣味で農業してるんですよ?お金とか別に気にしてませんし、それこそ他国にウチの野菜を売る気が無い。ウチの食材たちは鮮度が命なので」


と俺が言うと周りのギャラリーが「ふー、勇者相手に言えるねー!」とか「俺はお前を信じてたぞ!」とか……いや、なんか照れる……。


「じゃあ逆に言おう、僕が君にとって不利な情報を流してもいいんだぞ?」

「……と言いますと?」

「君のところの売り物はとても不味いだのと言いふらしたら君の店は商売出来なくなるんじゃないか?勇者の言ったとなれば皆が信じる」

「……でそれを勇者がするんですか?勇者って人々を救うんですよね、なんで俺を救ってくれないんですか?」


と言うと周りの冒険者たちは大爆笑した。「ハッハッハ!コイツは一本取られたな勇者さんよ!」とか「違ぇねぇ!勇者が人を救わないとか勇者ですらねぇな」とか、いや冒険者の煽り性能めっちゃ高いな。


「ふん!まぁなら見逃してやろう。さすがに勇者たるもの人々を苦しめるのは不本意だしな」


いや結構割とガチでやる気だっただろ、と言いかけるのを無理やり押さえ込んで


「じゃあいいですかね?俺店あるんで」


と爽やかに笑って俺は急いでその場を後にした。

余談

「なんかあの勇者、勇者感無いよな……なんか言ってること頭悪いし」

「違うぜ?勇者だから甘々に育てられてるから自分が一番偉いと思ってるんだよ」

「ほんとそう考えるとあの農家はすげぇんだな」

「俺、あの農家の評価馬鹿みたいに上がったしウチ帰ったら嫁にでもいい店があるって教えてやろうかな……」

「ん?待て貴様嫁持ちだったのか?道理で夜の誘い断ると……」

「あれ?言ってなかったっけ?そろそろ子どもも生まれるんだよ」

「は?盛大に祝ってやるよ!コレでも食らって死にやがれ!」

「とか言ってマジで祝ってくれるのかよ、まぁ、ありがとな」

と今日もギルドは平和でした。


できれば感想とか欲しいなーって|ू•ω•)チラッ

では次回にでもお会いしましょう

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