ギルドisトンボ
そのあとは特にイベントもなく朝を過ごす。
まぁトンボは後でギルド……だよなぁ。
レベルが上がってないので雑魚ではあると思うのだが、如何せんミミズのあれがあるためそうとも言いきれないのがツライところだ。
「逆にレベルが上がらない呪いとかにかかってるとかあるのかもな」
と俺は湯船に浸かりながら独り言を呟く。もしレベルが上がらない呪いだとしたらレベル1のままで一生生きることになる。いやまぁ別に魔王討伐とか興味無いしこの店を切り盛りするだけで幸せだから気にしないが。
「レベル上げてみたいな」
そう思うのは男として必然。まぁ三年間逆になんでレベル上げをしようと考えなかったが不思議なくらいだろう。
どうやらミミズがくそ強らしいので多分雑魚で経験値が入らないと思う。あいにくここは安定の最初の街ポジ、周辺に強いやつが来ることは無……
「あ、あるやん、魔物が死ぬほど攻めてくるイベント」
なんて言ってたか忘れたが確かある!そこでボス格を倒せば経験値は莫大では?
だが確か5年とか10年とかに1回の周期なんだっけか?最近来たばかり……じゃあダメか期間短いもんな……。まぁギルドで聞いてみるか。
と俺は考えをまとめて風呂から上がった。
「ということで、俺は今日もギルドに行くんだけど……さすがにここまで店を開けないのは困る、だからリーンに店番というよりお店の店主になってもらいたい」
「え?私が……?」
「そうだ、だが前回の例もあるから盗みとかがあるかもしれないが、そこでマリン、お前にも店番を頼みたい。まぁ一応昨日リーンと色々やってたし、分からないところがあったらリーンに教えて貰えるからな」
リーンは知っての通り二年前からここにいるので店のことはほぼなんでも知ってる。知らないのは値引き交渉くらいだろう。だがマリンは姫なのである程度の値引き交渉くらいはできると俺は踏んで二人で店をさせてみることにした。
「……が、がんばります!」
「私も、がんばりますね!」
「あぁ頼んだ」
と言ったが少し俺は彼女らに色々教える意味も含めて午後にギルドに行くことにした。
そしてまぁ何事もなく午後、というより何かあったらそれはそれで嫌だが、無事に店を運営できていたので、俺は安心してギルドに向かった。
「はい。トールさん、今回もタイラントですか?」
「あぁ、はい、そうです、あとコレもなんか来ました、トンボみたいなやつです」
「……コレは、あぁ確かゼンニウムですかね。メガニウムの幼体で合ってると思いま……いや、まってください?」
なんだ?ゼンニウムとかなら弱いけどメガニウムなら強い的な感じか?で微妙な大きさだから判定が厳しい……可能性まで見えた。
「なんだね、あぁゼンニウムの鑑定か?」
「メガニウムでもあんまり強さ変わんないけどな、受付嬢は何を焦ってるんだ?」
「もしかしなくてもゼンニウムじゃないとか」
「あっはっは……だとしたら、もう、アイツは化け物だな!物理無効のアレを倒すとなると魔法しかないんだから魔法が使えない農家にそれは無……いやアイツなら有り得るか」
「有り得るのが一番怖いんだよなぁ……」
とギルドの呑兵衛達がなんか言ってる。聞きたくないような言葉を言ってる。
いや、物理無効とか考えてなかったわ……いや、浮いてるから殴れねぇなとか思っただけだし、いやまさかね?
「すみませんトールさん、少しお話があるので奥に来て貰えませんか?」
「え?あぁはい……」
何やら不穏な気配が俺の中で渦巻いてきたんだが……いや、メガニウムとかいうトンボであっててくれ?
「でもあれだろ?あの物理無効トンボは実際は物理無効じゃなくて腹はむしろ物理が有効打だろ?」
「あ?お前知らないのか?幼体だよその話の場合は、成体になるとモノホンの物理無効を持ちやがるんだアレは、魔法防御も高いからまぁ一撃で潰すなんてのは人間じゃ出来ねぇわ」
「俺もモンスターのことをもっと知った方がいいのかもな……」
「知っとけ知っとけ、悪くないぞ」




