44. ロリコンうぉーず
第6王子ネロがピッピとホイッスルを吹き誘導しながらアズールとエアルがよいしょよいしょと眠っている幼女を運んでいた。
「YES ロリータ NO タッチ〜♪ 」
「「YES ロリータ NO タッチ〜♪ 」」
「こいつはどエライ シュミレーショーン♪ 」
「「こいつはどエライ シュミレーショーン♪ 」」
「のめり込め!」「「のめり込め!」」
「のめり込め!」「「のめり込め!」」
「母ちゃん達にはないしょだぞ〜♪」
「「母ちゃん達にはないしょだぞ〜♪」」
そしてそのまま幼女は闘技場の中央に寝かされ
3バカ兄弟は敬礼して解散していった。
仲良いなおい!
それを確認した前王は言った。
「王位継承戦準決勝、守護者シングルマッチ
Unlimited DO or DIE ! 両者準備は良いか?」
「は?」
「それでは王位継承戦準決勝、始…」
「待て待て待て待て!待てっておい!」
ナニ勢い任せでおっぱじめようとしてんだこのジジイ!
「なんじゃ?」
『なんだお前オラ、ワクワクすっぞぉ!』
あーもう!突っ込みどころしか無い!
忘れてた精霊王の圧倒的な存在感。
「2つ。まず1つ目、対戦相手寝てますぅ。そして2つ目、Unlimited DO or DIE ってなんだ?しれっと言いやがって!」
「ああネロがもうそろそろ起きると思うからそのまま気にせず進めてくれと言ってな。
あとUnlimited DO or DIE は直訳すると無制限でヤルかヤラれるかだそうじゃ。コレもネロが通したレギュレーションじゃな。ルールはまあ、なんでもありってことじゃろ」
ふうん。ナニを狙ってるのか知らんがオレが寝ている子供を問答無用で攻撃出来ないような腑抜けた正統派主人公だとでも思っているのか?ネロって奴は。
…フッ、舐められたもんだな。
「わかった。止めて悪かったな。始めてくれ。」
「では、仕切り直して…
王位継承戦準決勝ーー始め!」
「!?」
「ら、らいとくんっ!ナニを!?」
試合開始直後、オレはスタスタと無防備に眠っているあどけない幼女へ向かった。
「なっ!そんな!相手は幼女だぞ!」
第6王子が何か叫んでいるがお構いなしに
幼女を無理苦理引き起こし後ろから抱えた。
…お前が悪いんだ。お前が。
これから行われる事はオレの前にこの子を引き摺り出したお前がやらせた事だ。第6王子ネロ。
せいぜい後悔するんだな。
「ヤメロォ!それ以上は許さんぞぉ!」
そしてそのまま幼女を
「やめろっ!やめろぉぉお!!!」
撫でた。
「「「「え?」」」」
オレは後ろから抱えた幼女を膝の上に乗せ
ふわっふわの髪を優しく撫でていた。
『「な、なにが起きているんでしょうか?一体我々は何を見せられているんでしょうか?」』
「おーよちよちよちよちよちよちよちよち」
ふふふ、はーはっはっはー!
利用させて貰うぜ。ネロよ!
姉御が子供好きだということをオレは
子供魔王達との接し方を見てリサーチ済み。
ここは子供に優しいアピールをして
姉御への好感度を爆上げさせて貰う!
ふふ見ろ観客も姉御もほっこりしてやがる。
(※全員啞然としているだけです。)
…それにしても。この子。ハイブリッドエルフ?
てかLVMAX?…何者だ?
オレは一応オレの膝でだらしなくヨダレを垂らして眠っている幼女エルフの『索敵』を済ませた。
てかコイツ前に会ったことあるな。
王都に初めて来た時、エアルの部屋から脱出して騎士団オレTUEEEしたあとに出会ったサブイベントの行き倒れエルフじゃん。
…でもLVMAXじゃなかったよな?コイツ?
あの時は殺されかけたけど社会的に。
児ポ法冤罪詐欺で。
姉御に貰った金もコイツに奪われたし。
うーん、何がなんだかわからんが
そろそろ起きてもらおうか。
コレだけ子供に優しいアピールしておけば好感度も爆上げで好きなキャラクターランキングすらオレの1位は不動だろう。
…だがまあ、その前にやる事やっておかねばな。
「『おおっとぉぉー!ライト選手!児ポ法は大丈夫かーー!ギリギリの絵面だぁぁ!!』」
「あ…んっ…」
エルフ幼女の顔が赤く蒸気した。
一回触ってみたかったんだよなー
エルフ耳。前はコイツに嵌められて金だけ盗られて触れなかったからな。寝てる隙にキッチリ回収してやる。
触れるとピョコピョコ動く尖った耳をオレはフニフニ触り続けた。…なんか病みつきになるな。エルフ耳弄り。
「あ、ら …め」
「き、貴様ぁああ!ずるいぞぉぉ!!」
ネロが舞台上に真剣を振りかざし乗り込もうとしているのをアズールとエアルが止めていた。
やれやれしょうがない。
もうちょっと弄っていたかったが
『異常完全回復』
オレは幼女エルフに異常回復魔法を掛け
昏睡異常を解除した。
「…う、…ううん」
幼女のカラダが淡く発光するとオレの腕の中でその幼女エルフは目を擦りながらカラダを起こした。
そして大きく伸びをして目の前のオレの顔を見てもう一度目を擦った。
そしてメガネを掛けてもいないのにメガネの位置を直す仕草をしてジーーっと目を細めマジマジとオレの顔を見て
何故かその透き通った瞳に涙を溜めて抱きついてきた。
「!?え!?なに?突然?」
「…頼人くん!?頼人くん!?やっと会えた!
…ううぅ。
良かったよぉおお。えぐ。うぇぇぇええん。」
「!?」
何が何やら突然号泣している幼女エルフに抱きつかれオレはよくわからないがもう一度幼女の頭をヨシヨシしといた。