42.こんなに雑過ぎる伏線回収を君は見たことがあるか?オレはない!(倒置法)
王位継承戦1回戦が終了し
なんだかんだでお昼を迎えた。
第1王子ニールセンがメシでもと誘って来たのでお言葉に甘えてご馳走になることにした。
「で、結局のトコ。王の役割だっけ?なんなの?ぶっちゃけ?」
オレはパスタを一口。そのまま行儀悪くフォークを突き付けニールセンに聞いてみた。
「え゛?いきなり聞きます?そんなサラッと!?」
いきなりの直球で伏線回収しに来たオレに戸惑う第1のヤツを差し置いて普通に同じ店、同じテーブルについた阿呆が替わりに答えてくれた。
「あーなんかあの白い小動物が満月になると巨大化して暴れるらしいよー。毎月大臣が闘って鎮めてたんだってー」
「その設定はまた、はちゃめちゃが押し寄せてきそうな設定だな。まさか鎮める方法尻尾斬るとかじゃねーだろうな?」
「え?なんで知ってんの?え?泣いてる場合じゃないよ?らいとくんっ!?」
なるほど。通常シナリオがやっべーぞってことは把握した。
オレは頭を抱えて泣いていた。
「…オレからもちょっといいか?…なんで王とか勇者が必要なんだ?…えーっとオレ、オムライスでお願いします。」
姉御が注文のついでに
気になった伏線を回収しにきた。
「…はあ、もう。…王は聖霊王の依代としての役割です。そしてその勇者しか聖霊王には攻撃が効きません。あとコレは他の5大国でも同じで各王は各5大聖霊王を使役してます。」
ニールセンは勿体ぶるのを諦めてため息と設定を吐き出した。
ふーん。そういうことね。
オレの確認したかった謎も解けたわ。
1回戦でオレの『究極拳法獄殺破』を聖霊王が片手で止めれたカラクリは『勇者以外攻撃無効』の効果だったってことね。
とりあえずだいたい通常シナリオも見えてきたので
オレはデザートも頼んでいいか第1王子に確認した。
「あっ私もデザートいいですかね?兄上」
先程からなんかざるそば食いながらオレの横に座っていた人物がニールセンに尋ねてきた。
「なんで私の全奢りの感じで勝手にこのテーブルに入ってくるのだ?貴様らは?」
第6王子のネロだったか?コイツは。
「まあまあ、同じく1回戦を勝ち抜いた者同士。お昼くらいは仲良くしましょうではありませんか?なあエアル?」
第6のヤツはラーメンをふぅふぅしてるエアルに同意を求めていた。
「そーですよ。お兄様。らいとくんを私から奪っておいてラーメンくらい奢ったってバチは当たらないでしょう!このケチ!このどろぼう!」
エアルはラーメンをすすりながら恨めしそうにニールセンを糾弾した。
「…わかった。ラーメンは奢ってやるからもうその話はチャラだ。いいな?」
エアルはラーメンを頬張りながら親指を上に立て了承した。
いいのかよ!?安いなー。オレ。ラーメン1杯かよ!
「兄上、あとエアル。ちょっとお願いがあるのですが。準決勝の順番変えて貰えないでしょうか?」
「…何故だ?理由を聞こう。」
「いやぁ、私の守護者が思いのほか爆睡してまして。コーヒーと混ぜたのがいけなかったのか?まだ起きそうにないんですよ。」
「何を言ってるかわからんがダメだ。…いっそ棄権したらどうだ?」
「…ケチめ。…エアル今度ラーメン奢ってやるから先にしてくれ。」
「もぐもぐ」
エアルはラーメンを頬張りながら親指を上に立て了承した。
チョロいな!どんだけラーメン1杯で動かせるんだよ?
コイツは!
「じゃあ、あとはアズール姉さんがOKなら順番変えますね。よろしくお願いします。では」
そういうと第6王子ネロは席を立った。
「待て。敗者復活戦はコレからだろう?なんで第5王子が勝つってわかるんだよ?」
オレはみんなの疑問をネロにぶつけた。
「ああ、それなら…
ピンポンパンポーーん♪
『えー臨時放送臨時放送。只今、第2第3王子からこの後行われる予定でした敗者復活戦の不参加が発表されました。よって、第5王子不戦勝による準決勝勝ち上がりが決定しました事を御連絡します。…繰り返し御連絡します。只今…
ね?そういう事です。…では」
店内スピーカーを指差し
そう言うと第6王子ネロは立ち去って行った。
…その後、ざるそばと追加デザートのわらび餅代はニールセンが支払っていた。
トーナメントの組み合わせとか先の展開考えずに適当に書き過ぎたー!ナイス軌道修正第6王子!