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37.王位継承戦開幕

オレが王宮に戻ると入り口にいた執事さんに案内され

大広間に通された。

そこは魔王討伐パーティを行う予定だった場所だったようで中には王侯貴族や国の有力者などが集まっていた。


「ライト!無事だったか!良かった。」


中に入ると姉御達が出迎えてくれた。


「あれ?大臣は?」


エアルが大臣がいないことに気付き早速聞いてきた。

王や第1王子もこちらに駆け寄って来た。


…やっべ


「だ、だだ大臣は。エクス第4王子との死闘の末…。

えと、さ、刺し違え…クッ。お見事な最後で御座いました!」


オレはもう大臣は死んだ事にした。

…まあ、オレが()ったんだが。


「そ、そんな。」

バロンビがその場で泣き崩れた。


…そ、そうだわな。あんだけ盛り上がってマッチング成功した『まおゆう』カップルがもう死別しちゃったら泣くよね?…ご、ごめんね。ついカッとなって殺っちゃいました。


そしてオレは王に事実を織り交ぜエクスと大臣のやりとりとその最後を報告した。

とりあえず最終的にはなんか知らんけど2人共消滅した事にした。…うん、なんか知らんけど。


「…ハビュレット…国葬じゃ。…かの英雄を送ろう。

皆で。」


パーティ会場は一瞬にしてお通夜ムードと化した。

飾りたてられた会場とのギャップがえらいことになっていた。


大臣が此処にいる全員から、いや国民全てから慕われ愛されていたとわかるよう、そこかしこからすすり泣く声が響いていた。

…あっ、姉御も雰囲気に流されて貰い泣きしてる!



…やっべぇ。もう後戻り出来へん。


また嘘で首が回らなくなってきた。


大臣と王子はまあ多分死んでないだろう。

LVMAXとはいえグーパン1発じゃHPは削り切ってないと思う。…そう思いたい。

さすがに勇者と不死者(アンデッド)だし。大丈夫だろ。


はぁ、強過ぎるのも辛いなぁ。

ワンパンであんなぶっ飛んでいくとは。

グーパンマンとしてヒーロー活動でもしようかしゃん?


「ニールセン。他の王子を集めろ!」


「父上。ネロ以外は此処に揃っています。」



貴族達の間から3人の若者が現れ王の前に並んだ。


多分、話しからして残りの王子達だろう。


第2王子 アルエス

第3王子 マクツ

第5王子 アズール


あれ?王子だよな?1人女の子いるけど?


「アズール!ネロはどこだ?」


ニールセンがその女の子に尋ねた。


「知らない。 ()()()一緒に行動してたけど。多分どこかで聞いてるんじゃない?ココの情報も♪」


「悪趣味な。…お前もその格好。なんとかならんのか?」


女の子はドレスの裾をヒラヒラさせ

「似合ってるでしょ?良いじゃない。物心がつくまで女として育てられたんだから。妹が出来たからって男になんてなれないわよ!ねぇ?パパん♪」


「…まあ、アズールについては不問じゃ。ネロは…

まあいい。アズール。お前から伝えておいておくれ。」


「はーいパパん♫」


どうやらこの娘。(おとこ)()のようだ。

どう見てもヒロイン級の可愛い女の子にしか見えない。

設定やキャラデザにかなり手が込んでいるのでもしかしたら重要キャラなのかも?それかデザイン担当したスタッフが変態なだけか?




「…我が子らよ。ワシは王位を返上する!」


「「「「「!?」」」」」


ざわ…ざわ…



王が突如、引退宣言し、王宮内が騒然となった。


「アバンティア王国の王は。王としてはお飾りじゃ。

だが王としての役目があるのは皆も知っておる通りじゃ。アバンティアの血は5大精霊王の1柱『風の精霊王』の加護を得られる。そして精霊王は当代の王と共にあり、その眷属として王の守護者に『勇者』の称号を与える。」


場を沈めるよう王は語り出した。


「勇者ハビュレットを失ったワシには最早『封神の儀』は行えん。故に、次代の王にこの役を託したい!」


「父上!まだ大臣が亡くなったとは…。何処かで生き延びておられるやもしれません!」


「やも知れぬ。…が、エクスの件。裏があるとは思わんか?このタイミング。明日じゃぞ?月が満ちるのは。恐らく今日ワシかハビュレット。どちらかを殺すことが目的じゃったんだろう。…ヤツらの目的は果たされてしまった。」


…ん?もしかしてまた始まってないか?

通常ストーリー?

『運命・宿命システム』に組み込まれていた?

トリガーは王との謁見か?

王か大臣は死ぬ運命(イベ)宿命(ント)だったのか?ストーリー進行上。


「明朝。夜明けと共に『精霊王』に次代の王、次代の勇者を選定して頂く。おそらく『王位継承戦』になるだろう。我が子らよ。己の守護者と共にコロッセオへ。」


そう言うと王は場をあとにした。


王子達や貴族達もそれぞれその場を慌てるように去っていった。




そして俺たち以外誰もいなくなったパーティ会場で

気付けばエアルがオレの前で見事な土下座をしていた。


「らいとくんっ!私の守護者(サーヴァント)になって下さい!」


…オレはその()()は完全にOUTなヤツだと思った。




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