11.姫プ
何も考えずに書いてるからもうツラくなってきた!
通常シナリオ入っちゃったかー。
スタコラ逃げるおっさんをぼへーっと目で見送りながらそんなことを考えているとすぐに姫騎士さんが「待ちなさい!」とか言って追いかけて行った。遠くのほうで「アバンティアストラーッシュ!!(警棒)」とかいうのが聞こえてしばらくすると通信魔道具を片手におっさんの腕を捻り上げながらスーパーヒロインは帰ってきた。
「窃盗犯を確保したッ!至急応援を頼む!」
通信魔道具を腰ベルトに仕舞うと颯爽と
手錠を出し無駄にカッコよくおっさんを後ろ手に捕縛してケツを蹴飛ばしその辺に転がした。
(だが、なんかおっさんちょっと嬉しそうだな…なんか恍惚とした表情してやがる!…コイツ、ドMか?)
うーんでもカッコいいわ。やっぱ生「アバンティアストラッシュ(警棒)」も近くまで見に行けば良かったかなー。こう警棒をシャキーン伸ばして逆手に持ち替えて溜めて振り抜くヤツ。あのシーン滅茶沸いたしなー世界。
そう、この辺だいたい観たやつだった。
先行公開デモムービーで。
ムービーではプレイヤーがおっさん追いかけて追いつきそうなところでエアルがカッコよく建物の壁を横になって走ってきて大外まくり差しからおっさんの正面に回り込み「アバンティアストラッシュ(警棒)」を決めるという激うま美味しいトコ横から掻っ攫って頂いていくムーブだった。
初公開時コレ観て海外ゲーマー達のテンション爆アゲで「ファンタスティック!フォぉぉぉぉおぉぉぉぉぉおお!!!!!!!!」とか叫んでたわけよ。
でも、まあどうせ「運命・宿命システム」で上手いことデモ通りになるのでオレはこの度、ことの成り行きを見守ることにした。
多分通行人が無意識に邪魔して追いつけんし。
てかおめLVMAXだから今のも俺TUEEEムーブでイケるだろ?って?あーこの場合は無理。
街中とかは「生活移動フィールド制限」で足の速さは職業規定値以上出せないし。(ちなみにオレはまだ職安行ってないからノービス(無職)で移動速度は最遅)
バトルコマンドも選択制限される。(だから街中で爆裂魔法とか打てない。…自称紅魔族随一の使い手でも打てない。)
最近のほとんどのRPGがそうだと思うけど「穴沢」でも自然とフィールドモードとバトルモードの切り替えが行われるんだよな。
生活するのにバカ力とかいらんもんね。
「キミ大丈夫かい?災難だったね?」
「あ、はぁ、ども」
ほら、と言って盗られた小銭袋を渡してくれた。
それからすぐに
姫さま!っと身なりの良い爺さんが駆けつけお怪我は?とかエアルと似たようなデザインの制服を着たヤツらが湧いて姫さま!姫さま!姫さま!と姫さまアピールしていた。
「あ、姫なんだ」というシーンなんだろう。
…どうせまだ終わってねーな。イベント。
なんか周りを見ると野次馬やらの人垣が出来てここから動けそうにない。
ほらツカツカ来たよ。エアル
「キミ!良かったら王立警ら隊に入らないかい?」
唐突だな!っと思ったがそういやコイツの初期設定を思い出した。
なんか期限内までに警ら隊員100人集めないと警ら隊を解散させると親(王)から言われてるんだった。
…廃部寸前のクラブ活動かよ!
まあ、その理由は王様や周りは危ないから辞めなさいっていう親心なんだけどコイツはなんか子供の頃に誘拐されそうになったところを騎士に救われたっていうあるあるエピソードの持ち主で(無ーわ!)それで騎士に憧れてるんだが騎士は危ないからダメって騎士団には入れて貰えず、もういい!もう勝手にする!つって勝手に私設の警ら隊を立ち上げて街のパトロールとか勝手にしてる痛い設定だった。
つーかもはや姫騎士じゃねぇ、姫警備員じゃん。
コイツ。
「…いえ、いいです。」
オレが断ると
ものすごく残念そうな顔をして「そ、そうか…。」といいオレにナニカを渡してきた。
「コレ、欲しかったのだろう?」
手渡されたモノはさっきの露店で売っていたピアスだった。
「良いんですか?」
「ああ、だがコレに受取のサインしてくれ」
ピアスといっしょに渡された紙を見ると
「仮入隊届け」と書いてある用紙だった。
…コイツ必死か!?