10.運命・宿命システム
英語は中学で諦めた
穴沢10周年イベントは毎年アメリカで行われている世界最大のゲームショー内で行われ、そこで突如発表、世界同時配信された『穴沢2』制作始動のデモムービーは世界を熱狂・発狂・阿鼻叫喚させた!
「FuoooooooooooOOoOOOOOoooOooo!!!!!!!」
「Amazing !Amazing! Legend Games come NOW!AaaaaaaAaaaa!!!!!!!」
「ANAZAWA…2?…アンビリーバボ....ばたん!(失神)
「オーマイガ!オーマイガ!おーーーまーーーいがっとっ!」
「まんまみーや!いゃっほー!ひぁうぃごー!あーなざーーーわっとぅぅぅぅーーーー!!!!!」
「オーイェス、オーイェス!おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいえす!イエス!!YES!!!」
会場やリアタイ視聴の海外ゲーム実況者のテンションフルMAXな異常な反応、盛り上がりは「いやいやそんななる?」と思うくらいのお祭り騒ぎでしばらくネタとしてMAD化されるほどであった。
新作発表公開のサプライズと同じくらい特に盛り上がったのが『穴沢2』メインヒロイン姫騎士、エアル・アバンティアが登場したシーンだった。
確かにそん時こんなん流れてたな…。
今も頭の中で流れてる曲はメインヒロインに出会ったときの演出だった。「無印」時代でも同じ演出があったので間違いない。
エアル・アバンティア
実際に目の当たりにすると圧倒的なヒロイン感がやはり凄い!
さすが世界を虜にしたヒロイン
新作の期待値を爆上げさせた新世界の恋人だ。
キャラデザの作り込みがハンパじゃない。
顔立ちは姫であり騎士であるというW設定がキャラクターに投影されるような意志の強そうな眉と正義感溢れるキリッとした瞳、口元のほくろがセクシーだが稀をてらい過ぎず万人受けするまとまりが秀逸だ!
そして衣装だが騎士の要素とアメリカンポリスガール風の要素を絶妙にハイブリッドさせたうえで程よい露出ありでカラダのラインの強調されるところはキッチリアピールされるグッドデザイン賞受賞でもしていそうないでたち。
そのポリス帽っぽいティアラを付けた髪型はそのキャラが立ち巻くるような金髪縦ロールのサイドツインテールと一目でこのキャラだとわかるインパクトを押し出している。
てか衣装についてはオレ専用メインヒロイン(スプリント)との格差、忖度が酷いぞ制作!姉御にもこんな洗練された衣装着て欲しい!いつもランニングに短パンという裸の大将スタイルだぜ?あのヒト。タンクトップでもなかったわ。「なんでいつもタンクトップなんすか?」って聞いたら「おう?ああ、ランニングのことか?安くて洗ったらすぐ乾くしいいだろ?動きやすいし。てかランニングしか持ってねぇわ。オレ。(あっ、なんか知らんけどおにぎりが食べたくなってきた。)」とか言ってたわ。…今度可愛い服買ったろう。
しかし、ナニコレ?なシナリオだな!制作よ!
メインヒロインとの出会い方がお互い手が触れて
「「あっ」」じゃねぇよ!
なんかもうありふれて味せぇへんヤツやん。
まあ、「穴沢」は全キャラクターAIが自立して動き回るマルチシナリオだからいろんな出会いのパターンがあるのだろうが、ヒデェな。ハズレシナリオだ。
そう、エアルとの出会いは強制イベントだ。
「運命システム」とか「宿命システム」とか呼ばれているがNPC達はこの世界で現実の人々と同じ様に自分の意思で行動、生活しているが制作サイドのシナリオが用意されている場合、それぞれがごく自然にそのシナリオに沿った行動をとるように設定されている。
まさに運命・宿命のように。
おそらく今回のは初めてプレイヤーが王都アバンティアに入ることがトリガーとなり、エアルは絶対にプレイヤーと出会うようプログラムされているのだ。
…つまりは通常シナリオが始まっちまった訳だ。
とかエアルに突然出会った衝撃とそれに関連したことを思い出してエアルを見ながらボーッとしていたら…
「君っ!?」
なんか通りを小走りに走ってきた小汚いおっさんに手に持ってた小銭袋パクられたんだが…。
「っつ!?」
…コレも「運命・宿命システム」か?
あのおっさんも急に出てきたがこのシナリオの一部で行動しているはずだ。…だって曲がサビ終わってフェードアウトした絶妙なタイミングで来たもん。