表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/18

 5 あの場所へ

 子供の頃、俺たちは約束した。

『大きくなっても、ずっと親友でいよう』


 学校帰りの高台にある公園のベンチに腰かけ、そこで俺たちは時間を忘れ、いつまでも夕陽を眺めていた。


『大きくなっても、ずっと親友でいよう』


 その時、そう約束したんだ。


 俺は……俺たちは……。


「……そうだな」


 約束したんだから、守らなきゃな。

 俺は言い出したい言葉を飲み込んだ。


「え?」


 小さくため息まじりに呟いた俺の言葉に、彼女の表情が変わり聞き返されるも、複雑な心境だなどと言えるはずもなく苦笑いで答える。


「そうだよな、親友だもんな」


 親友だもんな。俺は気持ちを切り替えるために、大きくひと息ついて続けた。


「あ、そうだ。今からあそこ、行ってみねぇか?」


「ん?」


「ほら、早く!」


 俺は小首をかしげて聞き返す彼女の手首を掴んで、駆けだした。


 そうでもしないと、つい言ってしまいそうになるから。


『親友でいいのか?』


 その言葉を。


 だけど俺は彼女の気持ちを大事にしたいと思った。

 俺は親友として、ずっと彼女を支えていこうと、そう決意したかったんだ。



お読み下さりありがとうございました。


次話「6 距離感」もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 切なげな言葉は言い聞かせるのではなく、秘められた思いは自分に言い聞かすもの。儚くて美しい情景だと感じましたね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ