表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/18

11 ダメ出し

 深空の言葉がにわかには信じられず、俺は動揺した。


「その病院、おかしいんじゃないか? きっと検査ミスだよ。他の病院行こう」


 俺は立ち上がり深空の腕を引っ張った。

 だけど深空は首を横に振り、静かに答える。


「私も信じられなくて、『セカンドオピニオン』っていうのしたんだけど」


「うん。それで」


「結果は同じだって」


「マジかよ」


 俺は頭を抱え、力を落としてベンチに座り込んだ。


 少しの沈黙の後、彼女はまるでヨシヨシと子供を元気づけるような素振そぶりで、「まあまあ落ち着いて」と俺の背中をポンポンと叩く。


「そうだな。信じられなくて、つい。悪かったな」


「ううん」


 彼女はそう言いながら首を横に振って、笑みとともに「ありがとう。本気で心配してくれてるのが解って、嬉しかったよ」とつけ加えた。


 俺はどう答えていいのか解らず、「いや」と短く返す。


 深空は大きく吸った息を吐きながら言う。


「なーんか、希望を持って受けた『セカンドオピニオン』で、ダメ出しされた気分」


「そっか。辛かったな」


「あーあ。こんなに元気なのにね~」


 本当に。

 こんなに元気な彼女があと3ヶ月で星になるなんて、誰が想像できようか。

 


お読み下さりありがとうございました。


次話「12 ずっと親友でいることに意味があった」もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
11 ダメ出し 読みました。 二人の関係は 変わるのか? 変わらないのか? といった点も気になりつつ、読ませていただいています。(^ー^)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ