1 馳せる想い
ちょっぴり切ないお話ですが、1話短めですので、ラストまでお付き合い下さると嬉しいです。
ラストまで書けていますので、本日より毎日更新します。
よろしくお願いします。
本作は、家紋 武範さまの「あやしい企画」参加作品です。
ずっと親友であることに意味があった。
深い空に浮かぶ星を見上げる度、思い出す。アイツのことを。
そして必ず聞いてみたくなる。
今でもみんなを見守ってくれているか?
「そこにいるのか?」
答えが届くはずもないのに。
『私、星になりたい。大きな大きな宇宙の隅で、ひっそり輝くかわいい星に。暗く寂しい夜には、キラキラキラキラ輝いて、皆に幸せ運んであげる』
だけど今夜は違う。
屈託のない笑みで人の心を和ませる。
そんな彼女の返事があった気がした。
『だから、深い空の星を見上げたら、そっと微笑んでみて。きっと優しい気持ちになれるから』
俺はふっと口角を上げてみた。
もっと早くに言えばよかったのか?
「そこにいるのか?」
心に聞いてみる。
辛い時、悲しい時、いや、楽しい時、嬉しい時にも変わりなく輝く――深い空に瞬く星を見つめ、あの頃に想いを馳せる。
アイツと過ごした日々。忘れられない時間。忘れられないあの日。忘れちゃいけないあの時。忘れたくないアイツ。
ずっと親友であることに、意味があった。
お読み下さりありがとうございました。
次話「2 親友」もよろしくお願いします!
本日投稿します。